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モラハラは犯罪になる!?言葉の暴力とモラハラの関係を解説

モラハラと言葉の暴力に関する動画解説

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モラハラとは?

イラスト 67

時代の変化に伴い、セクハラやパワハラは社会問題化し、報道されることも増えたため多くの人が知るところとなっています。

セクハラ=性的な嫌がらせ。
パワハラ=職場の権力を利用した上司などからの嫌がらせやいじめ

このように定義されています。

ところで、「ハラスメント」と定義されるものにはセクハラ、パワハラの他にも、アカデミック・ハラスメント、ドクター・ハラスメント、マタニティ・ハラスメントなど20種類以上もあるといわれています。

そうしたハラスメントのひとつに「モラル・ハラスメント」があります。

しかし、モラハラについては、まだ世間一般の認知度は低いようです。
一体、モラハラとはどのようなものなのでしょうか?

職場のモラハラ

「“死に損ないのブタ”“盗っ人”…凄まじき職場のモラハラの実態」(2014年11月24日 産経新聞)

事件が起きたのは、大阪市内の衣料関係会社。
この会社に勤務する50代の女性が、60代の同僚女性から「死に損ないのブタ」、「ほんまに臭いわ!何食べて毎日くさいねん」などの暴言や暴力を受けたとして損害賠償を求めた訴訟の判決が大阪地裁でありました。

事件の背景をまとめます。

・原告の女性が衣料関係会社に入社したのは平成19年。その際、被告の女性の口添えがあった。
・2人は別の会社でも一緒に勤務したことがあったようで、誕生日を祝い合う仲だった。
・しかし、その後、急激に関係が悪化。
・原告女性は、被告女性から凄まじい罵詈雑言を浴びせられ、椅子を蹴り飛ばされたり、出勤台帳で背中を叩く、ボールペンを持って頭を叩くなどの暴力を受けた。
・原告女性が防戦すると被告女性自らが警察呼び、病院の診断を受けるなどした挙句、代理人弁護士を通じ、原告に慰謝料150万円を要求してきた。
・そのため、原告女性はICレコーダーで録音したり、机の下にビデオカメラを設置するなどして証拠を確保。
・平成25年初頭に、約220万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こすと、被告女性もほぼ同額の損害賠償を求める反訴に打って出た。

大阪地裁は、原告側のICレコーダーやビデオカメラによる録音・録画のほか、「原告が押し倒されたり、殴られるのを見た」とする同僚男性の証言を重視。

被告女性に165万円の支払いを命じ、被告女性の反訴については全面的に退ける判決を言い渡したということです。



モラハラ問題の特徴

モラハラの大半は、職場や家庭内での言葉による嫌がらせ、いじめです。そのため表面化しにくく、企業もあまり問題視してこなかったという背景があるようです。

これまで、身体的暴力に関しては「DV防止法」などの法整備が進められてきましたが、精神的暴力に関する法整備は遅れているといえます。

実際、厚生労働省や法務省などのサイトやパンフレットにはパワハラについて扱ってはいても、モラハラの表記はほとんどないのが実情です。

しかし、今回の事案のようにモラハラ被害にあっているという認識がある人は、「民法」で定める「不法行為」によって被った被害に対して損害賠償請求の訴訟を起こすことができます。

モラハラをする人の特徴としては、以下のようなものが挙げられます。
・最初はやさしいが豹変する
・通常、肉体的暴力は使わず言葉で人を侮辱、冒涜する
・相手の同情を誘ったり、自分を正当化する
・平気で嘘をついたり、言うことがコロコロ変わる
・職場や家庭内でのみ嫌がらせをする

モラハラと犯罪

では、モラハラの特徴である言葉の暴力が犯罪になる可能性はあるのでしょうか?

じつは、「刑法」の「侮辱罪」が適用される可能性があります。

モラハラに関連する法律 刑法231条

231条(侮辱)
事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。
「公然」とは法律上、不特定または多数の人が知ることのできる状態にあることをいいます。

過去の判例では、2006年、山梨県大月市のスナックで20代の女性客に対して「デブ」と数回言った市議会議員の男が、侮辱罪の法定刑では最も重い「29日間の拘留」を言い渡されたものがあります。

他の客のいる店舗や、今回の事件のように職場の同僚がいるところで、公然と相手を侮辱すると犯罪になる可能性があるということです。

なお、通説では事実を摘示しなくても成立するのが「侮辱罪」で、事実の摘示がある場合は「名誉棄損罪」が成立するとされています。

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