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親愛や友好の表現に握手があります。
愛し合う2人が手を握る、ビジネスパートナーが握手を交わすなど、手を触れ合うことは信頼の証でもあります。
そんな握手が、逮捕にまで発展してしまった事件が起こりました。
何が起こったのでしょうか? 法的に解説します。
事件はこうして起きた
「女子高生と“握手したかった”塾経営者、電車内で右手つかみ逮捕」(2014年5月7日 スポーツ報知)
電車内で女子高生(16)と握手したとして、宮崎県警えびの署は、鹿児島県日置市の学習塾経営の男(34)を県迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕しました。
報道によると、男はJRの普通列車内で女子高生の前に座り、「高校はどこ?」、「かわいいね」、「握手しよう」などと話しかけ、断り切れずに出した女子高生の右手をガッチリつかんだとのことです。
驚いた生徒が、背面側に座っていた知り合いの女子高生に助けを求めたところ、その生徒も容疑者から握手を求められ、拒否した直後だったようです。
同署は、「ほかにも同じようなケースが数件あった」としています。
リーガルアイ
各地で名称の違いはありますが、「迷惑行為防止条例」というものが全国47都道府県すべてで施行されています。
「法律」と「条例」の違いを訊かれることがありますが、これは簡単に言うと、「法律」は国が定めるルールで、「条例」は地方自治体が法令に反しない範囲で定めることができるルールということになります。
今回は、宮崎県迷惑行為防止条例を見てみましょう。
第2条(卑わいな行為の禁止)
何人も、道路、公園、広場、駅、興行場その他の公共の場所(以下「公共の場所」という。)又は電車、乗合自動車、船舶、航空機その他の公共の乗物(以下「公共の乗物」という。)において、人に対し、卑わいで不安等又は著しいしゅう恥を覚えさせるような言動をしてはならない。
これに違反した者は、6ヵ月以下の懲役又は50万円以下の罰金、常習者は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処されます。
手を握ったことが「電車の中で、卑わいで不安や羞恥を覚えさせる行為」と判断され、