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不動産管理会社はインボイス制度にどう対応すべき?

インボイス制度はすべての事業者に関係する制度であり、不動産管理会社も例外ではありません。

適格請求書発行事業者の登録をしていない場合、税務上の影響だけでなく、実務面でも影響を受ける可能性があるので注意が必要です。

本記事では、不動産管理会社がインボイス制度によって受ける影響と、適切な対応策について解説します。

【この記事の監修者】 讃良周泰税理士事務所 税理士 讃良 周泰

インボイス制度が不動産管理会社に及ぼす影響

不動産管理会社は、取引相手の状況を鑑みてインボイス制度への対応を検討する必要があります。

登録しないと適格請求書は発行できない

適格請求書(インボイス)は、インボイス制度の要件を満たした請求書をいいます。

商品等の取引を行った場合、取引先に対して請求書を渡しますが、適格請求書を発行できるのは、適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)として登録している事業者に限られます。

したがって、不動産管理会社が適格請求書発行事業者として登録していない場合、取引相手に適格請求書を交付することができません。

適格請求書発行事業者でなくても仕入税額控除は適用可能

インボイス制度の導入により、消費税の仕入税額控除の適用要件に適格請求書の保存が加わりました。

そのため、取引相手から適格請求書の交付を受けていない場合には、仕入税額控除を適用することはできません。

一方で、適格請求書発行事業者の登録は、適格請求書を発行するための手続きであるため、登録をしていない事業者でも、取引相手から適格請求書の交付を受けていれば仕入税額控除は適用可能です。

賃貸オーナーとの契約に関する留意点

住宅貸付に対して原則消費税は課されませんが、事務所の賃料については消費税の課税対象となります。

賃貸収入に消費税がかかる場合、適格請求書発行事業者として登録しなければ、借主である事業者は仕入税額控除を適用することができません。

借主側が消費税の免税事業者や事業者以外であれば、適格請求書を交付できなくても経営面に与える影響は少ないですが、消費税の課税事業者については、仕入税額控除が適用できないと消費税の負担が重くなるため、適格請求書発行事業者の登録をしていないことが取引に影響を及ぼす可能性があります。

不動産管理会社がインボイス登録を行うメリット・デメリット

不動産管理会社が適格請求書発行事業者として登録すると、消費税の確定申告が必須となるなど、いくつかのデメリットが生じるので注意が必要です。

メリット①:インボイス制度導入前と同じように取引できる

適格請求書発行事業者として登録しても、節税面の恩恵は特にありません。

しかし、取引相手が仕入税額控除を適用するためには適格請求書の保存が必要ですので、インボイス制度導入前と同じように取引を行うためには、適格請求書発行事業者の登録が不可欠です。

消費税の課税事業者は、仕入税額控除の適用を考慮し、適格請求書発行事業者との取引を優先する傾向があります。

そのため、状況によっては登録が新規契約の獲得に有利に働くことも考えられます。

デメリット①:契約条件の見直しや取引終了のリスク

適格請求書発行事業者の登録は、適格請求書を発行するための手続きであるため、未登録の事業者でも、取引相手から適格請求書の交付を受けていれば仕入税額控除を適用できます。

しかし、未登録の事業者から仕入れを行っている取引先については、仕入税額控除が適用できないため、契約条件の見直しや取引が終了する可能性があります。

デメリット②:消費税の確定申告手続きが必須になる

適格請求書発行事業者の登録手続きは税務署に対して行うことになりますが、申請することによりにより、現在は消費税の免税事業者であっても課税事業者となります。

免税事業者は消費税の確定申告は不要でしたが、適格請求書発行事業者の登録後は、消費税の確定申告書を毎年提出しなければなりません。

また、適格請求書には取引内容や消費税額を正確に記載する必要があるため、請求書のフォーマットを適切に整備しておくことも重要です。

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