相続実務 遺言に関する法務と税務の違い まずは、法的理解からです。 遺言は、被相続人の死亡により、 ただちにその効力を生じます。 たとえば、「土地建物を長男Aに相続させる」 と記載があれば、被相続人の死亡によって ただちに相続の効力が生ずる、ということです。 遺言の効力を生じさせないためには、相続放棄をし、 はじめから相続人でなかったことにします。 しかし、...
相続実務 遺言の一部を遺産分割? 今回は「遺言と遺産分割の関係」についてです。 遺言書がある場合に、法定相続人全員で 協議して、遺言によらずに遺産分割を することがあると思います。 次のようなケースを考えてみます。 =================== 相続人:長男A、二男B 遺言書で、自宅及び現預金の全てを 長男Aが取得する旨記載がある。 ABで話...
相続実務 相続で詐害行為の助言防止 不用意に「詐害行為となる助言をしてしまうのを防ごう」という内容です。 詐害行為取消権は、以下の条文です。 民法第424条1項債権者は、債務者が債権者を害することを知ってした行為の取消しを裁判所に請求することができる。ただし、その行為によって利益を受けた者(以下この款において「受益者」という。)がその行為の時において債権...
相続実務 遺言の一部を遺産分割? 遺言書がある場合に、法定相続人全員で協議して、遺言によらずに遺産分割をすることがあると思います。 次のようなケースを考えてみます。 相続人:長男A、二男B遺言書で、自宅及び現預金の全てを長男Aが取得する旨記載がある。ABで話し合い、現預金については、ABで分けようということになった。 この場合、 「自宅のみ遺言書で長男...
相続実務 「遺言によらない遺産分割」の法的理解と税務上の実務運用の相違点 まずは、法的理解からです。 遺言は、被相続人の死亡により、ただちにその効力を生じます。 たとえば、「土地建物を長男Aに相続させる」と記載があれば、被相続人の死亡によってただちに相続の効力が生ずる、ということです。 遺言の効力を生じさせないためには、相続放棄をし、はじめから相続人でなかったことにします。 しかし、実務では...
相続実務 未分割申告の税理士損害賠償判例 今回は、税賠判例のご紹介です。 東京地裁平成30年2月19日判決(TAINS Z999-0172) 未分割申告により税理士敗訴(損害賠償が認められた)となったものです。 (事案) 被相続人:A 相続人:X、B、C、D、E ●Aは遺言により、全財産をXに相続させる旨意思表示をした。 ●相続財産の中には、小規模宅地等の特例...
相続実務 遺言書の検認 相続の相談で、稀にですが以下のような相談を受けることがあります。 「父が亡くなり、自筆証書遺言を見つけました。 封をしてありますが、まず中身を読んで、自分に有利なら公表し、不利なら破り捨てて、遺産分割をしたいと思いますが、よろしいですか?」 もちろん、「ダメでしょ!」となるわけですが、法律では、どうなっているか確認して...
相続実務 「配偶者居住権」での注意点 配偶者居住権は、令和2年4月1日に施行となっています。 権利の内容についてはご存じだと思いますので、説明はしません。 配偶者居住権が成立するのは、次の場合です。 ※相続開始の時にその建物に居住していることを前提として、 (1)遺産分割により、配偶者居住権を取得するものとされたとき(家裁による審判含む) (2)配偶者居住...
相続実務 自筆証書遺言の遺言書保管制度 自筆証書遺言原本を法務局が保管してくれる制度が、2020年7月10日から開始されました。 法律名は、 「法務局における遺言書の保管等に関する法律」 です。 保管の段階で、知っておくべきことを簡単に記載します。 ・自筆証書遺言に限る。 ・封をしていない遺言に限る。 ・法務大臣が指定する法務局に限られる (http://w...
相続実務 代襲相続できる孫は、どの孫か? 今回は、「代襲相続」についての解説です。 次のような問題を考えてみましょう。 被相続人には、長男A、二男B、三男Cがいた。ところが、長男Aは遺言書を偽造したので、相続欠格事由に該当し、二男Bは被相続人を虐待して廃除され、三男Cは相続放棄をした。A、B、Cには、それぞれ子(被相続人の孫)がいる。代襲相続できる孫は、どの孫...