法的には口約束でも契約は成立すると聞いたことがありますが本当でしょうか?
また、なぜ契約書は必要なのでしょうか?
【この記事の著者】みらい総合法律事務所 弁護士 谷原 誠
http://www.mirailaw.jp/
今回は、口頭による契約について解説をしたいと思います。
契約を交わす場合、多くの人は契約書が必要だと思っているかもしれませんが、じつは契約書を締結せずに口頭での契約、つまり口約束でも契約は成立します。
問題は、法的にどう判断されるかです。
仮に法的には口頭での契約が成立したとしても、後から裁判所で契約の成立を証明できなければ権利の実現ができないためです。
たとえば、誰かに100万円を貸したとします。
これは「消費貸借契約」ですから、返す義務があります。
しかし、口頭での契約で、しかも100万円を相手に手渡ししていて、何も証拠がないというような場合はどうでしょうか?
100万円を返すよう裁判を起こしたところ、相手は「借りてない」と言ったとします。
証拠が何もなかったなら、裁判所は「消費貸借契約は成立していない」と判断するでしょう。
では、100万円を振り込んだ場合はどうでしょうか?
相手は、「もらった」と言うかもしれません。
この場合の判決は、どちらになるかわかりません。
では、「そろそろ100万円を返してくれ」というメールを送ったところ、「もう少し待って」と返信が来たら、どうでしょうか?
この場合は、「貸した」という判決になりそうですね。
このように、法的には口頭で契約が成立したとしても、それを立証できるかどうかがとても重要になってきます。
なお、