【この記事の監修者】 讃良周泰税理士事務所 税理士 讃良 周泰
共有名義といっても中身は様々。
親子の「共有名義」で二世帯住宅を購入するケースはよくあります。
また最近では、夫婦の共有名義でマイホームを購入する例も増えています。
いずれにしても、なんとなくの流れで共有名義にするのはハイリスク。
仕組みを理解した上で採用すべきです。
共有名義の鍵を握る「持分比率」とは?
共有名義とは、一つの物件を2人(または複数人)で所有することを言います。
共有名義をするには「持分比率を決める」必要があります。
持分比率とは、不動産取得時に「誰がどれだけの費用を負担するか」によって決める割合です。
たとえば、5000万円の二世帯住宅を購入するため、父2500万円・子2500万円を負担すると持分比率は50%・50%になります。
費用を負担した割合と持分比率はイコールにするのが原則です。
5000万円のうち父3500万円・子1500万円を負担するなら、持分比率は70%・30%になります。
ここで注意したいのは、登記をしてはじめて所有権が主張できることです。
たとえば父子でお金を出しあって不動産を購入しても、子の名前しか登記されていなければ、その不動産は子一人のものになります。
何かあった時、父はお金を出したのに所有権を主張できなくなります。
このような最悪な事態を招かないよう、複数で不動産を購入した時には、速やかに登記をしてください。
トラブルが起こってから持分を主張しても後の祭りです。
ちなみに共有名義で登記すると、登記簿には次のように記載されます。
共有者
佐藤太郎 持分〇分の1
佐藤次郎 持分〇分の1
一緒に買った不動産を登記しないとどうなる?
さきほど「お金を出していても、登記しないと所有権が主張できない」と話しましたが、それにより、現実的にどのような問題が起こるのでしょう。
共有名義にしてる場合は、売却時に他の共有者の同意が必須です。
もし、共有者が反対すれば売却できません。逆に言えば、もし共有名義で登記していなければ、相手方の判断で自由に売却できるということです。
複数で不動産を購入したにも関わらず、登記をしないために発生する問題はもう1つあります。
それは、