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競業避止義務契約を有効にするためのチェックポイントとは?




複数名の社員が当社を退職し、新たに会社を設立しようとしている動きがあります。
その会社の業務内容は当社とほとんど同じです。
そうすると社員が抜けるだけでなく、当社の顧客も奪われ、業績へ多大な影響があるのではないかと危惧しています。どのような対応を取るべきでしょうか?


【この記事の著者】 定政社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士 定政 晃弘

自社の社員が退職し、自社と競合するような会社を新たに設立して事業を行なった場合であっても、職業選択の自由という観点からみれば、それが絶対認められないものではないことはご承知のことかと思います。

では、競合しようが、顧客を奪おうが、社員の引き抜きをやろうが、何をやっても許されるのかというと、そういう訳でもありません。

そのような行為が、どのような場合でも認められてしまうのであれば、「日本経済が混乱に陥ってしまうかもしれない」というのも決して大げさではないでしょう。

会社の防衛策としては、就業規則や誓約書に「競業避止義務」を明記して、社員にその義務を履行させることが一般的です。

就業規則や誓約書に記載する競業避止義務の例を次に挙げます。

「社員のうち役職者、又は企画の職務に従事していた者が退職し、又は解雇された場合は、当社の秘密保全の観点から、当社の承認を得ずに離職後6か月間は、日本国内において当社と競業する業務を行なってはならない。また、会社在職中に知り得た顧客と離職後1年間は、当社と競合する取引をしてはならない」

上記では「役職者」とか「離職後6か月」、「離職後1年間」と定めていますが、これらを具体的に定めた法律はありません。
従って、「離職後1年間」を「離職後2年間」としても違法ではありません。

ただ、どのような内容に定めようとも、訴訟等になった場合は個々の状況を踏まえて総合的な判断がなされますので、ある程度、合理的かつ社会的に見て相当であるようなものにしておきたいところです。

経済産業省は、競業避止義務契約の有効性を判断するポイントとして6点あげていますので、筆者一部加筆の上ご紹介いたします。

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