会社が売上を増やすためには、何を見て、どういった対策をとればいいのでしょうか?
【この記事の著者】 江黒公認会計士事務所 公認会計士 江黒 崇史
http://www.eguro-cpa.com/
会計上、売上は次の式から生まれます。
売上高=単価×顧客数×購入回数(リピート数)
つまり、売上を伸ばすには、この単純な式の要素を意識していけばよいのです。
売上を増やすための3つの指標
経営者は自社のビジネス環境をみて、経営資源をどう投入するかを考えていかなければいけません。
そのためには、次の3つの指標を考えていきます。
1.単価を上げる
2.顧客数を増やす
3.購入回数を増やす
上記3つのうち、どの要素を上げることができるのか? また、短期的な売上高だけではなく、半年後、1年後、3年後、5年後も売上を伸ばすためはどのような戦略をとるべきなのか? 3つの指標を意識して予算や経営戦略を立てていきましょう。
これら3つの指標を意識していくことで、時には単価を値引いて、顧客数や購入回数を増やして売上全体を伸ばす戦略が有効、というように、その時に最適な経営戦略が見えてきます。
KPI(重要業績評価指標)の重要性
また、自社のビジネスにおいて何が重要な指標となるのか意識することも重要です。
近年では、KPI=Key Performance Indicator(重要業績評価指標)という言葉が流行っています。
この言葉は、まさに自社の経営・業績を図る指標を設ける重要性が高まっている表れです。
KPIは会社、業種ごとによって様々ですが、たとえば販売部門におけるKPIは「今月の新規獲得顧客数」などが当てはまります。
また、「一人当たりの販売額・利益額」というものもKPIとなります。
KPI=経営における目標指標、と考えてみてください。
さらに、売上高を見る時も、ただ売上高だけを見ていては何も数字は語りません。
以下のように、売上自体も細分化して分析し、経営に活かしていきましょう。
・事業別売上高
・一店舗当たり売上高
・従業員一人当たり売上高
例をあげて説明します。
たとえば、アパレル事業を展開している会社があります。
その会社を見る上でも、メンズ事業、ウィメンズ事業、子供服事業と事業別に売上や損益を見ることで、