先日、ある社員から、「申請手続きが遅れたことについては申し訳ないが、申請事由が発生したのは4ヵ月前なので、遡って手当を支給して欲しい」との申し出がありました。対応するべきでしょうか? ちなみに、当社の諸手当については、本人からの申請を支給の条件としています。
【この記事の著者】 定政社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士 定政 晃弘
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対応するべきなのか、あるいは全く対応する必要はないのか、判断の拠り所は就業規則(あるいは給与規程)にどのような規定がされているかによって決まります。
遡及払いのトラブルを未然に防止するには?
例えば、資格を取得した場合に支給される「資格手当」について、「資格手当は、社員が会社の指定する資格試験に合格した場合に支給する」とだけ規定されており、他に何ら規定されていないようであれば、遡及払いの必要性も出てくるでしょう。
労働基準法第115条にも、「賃金請求権(退職手当を除く)の時効は2年」と明記されているからです。
従って、安易に作成してしまった就業規則や給与規程だと、極端な場合、社員が過去2年分を請求してくるようなことも想定されるのです。
このような無駄に思えるトラブルを未然に防止するには、手当の支給条件を明確に規定しなければなりません。
次のような規定をすぐに追加するべきでしょう。