契約書のひな形、内容証明郵便書式、労務書式、
会社法議事録・通知書のテンプレートが無料

棚卸資産(在庫)を使った不正会計③:有償支給取引

大企業の不正会計で、パソコンの在庫計上に不正があったと聞きました。
どのような不正だったのでしょうか?


【この記事の著者】 江黒公認会計士事務所 公認会計士 江黒 崇史
http://www.eguro-cpa.com/

下請け会社を含めた在庫の処理で、適正に製造費用を上げていなかったという不正です。

製造業の実務では、大企業であっても外注先に製造を委託することがよくあります。
いわゆる、下請けです。

ところで、大企業である製造メーカーが外部に業務を委託する時には、委託先が製造に必要な部品も製造メーカー側が用意して提供することがあります。
これは、大企業が部品を大量に調達することで購買力が働きやすく、部品を安く調達することができるからです。

このように、部品を外部の委託先に支給する取引を、会計の世界では「有償支給取引」といいます。

そして、元請けである大企業は、完成品を下請けである委託先から仕入れることになります。

東芝が行った有償支給取引の仕組み

近年話題となった東芝の不適切会計ですが、ひとつはこの、有償支給取引の会計処理が適正に行われていなかったことがあります。

ここでは、多少簡素化して解説します。

PREVNEXT

関連記事

紙の書類をスキャナ保存するメリットと適用要件を解説

法人税法などでは帳簿書類の保存が義務付けられていますが、一定の要件を満たせば、関係書類をスキャナで読み取り、電子データとして保存することができます。 ...

税務調査の結果は税理士の力量でまったく違ってくる!?

当社では顧問弁護士の変更を検討しています。 税務調査の結果は税理士の力量次第で決まるという話を聞きますが、実際どの程度関わってくるもの...

事業承継のために組織再編成を行うメリット・デメリット

後継者へスムーズに事業を引き継がせたい場合、事前に企業の組織を再編成するのも選択肢です。 組織再編の方法はいくつかありますが、それぞれにメリット・...