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不動産の共有名義はトラブルの宝庫。それでも共有するの?

共有名義にしようか迷っている方に読んでいただきたいコラムです。

共有名義を検討されているくらいですから、現時点では相手方とかなりの信頼関係があるはずです。

しかし、仲の良かった親族や夫婦が不仲になる例は、世の中いくらでもあります。

だからこそ、メリットとデメリットをしっかり把握した上で採用すべきです。
ここでは一番のデメリットである「トラブルリスク」をフォーカスします。
【この記事の監修者】 讃良周泰税理士事務所 税理士 讃良 周泰






共有名義を解消するのはとにかく大変

夫婦で共有名義にしてる方が、共有解消を考えるきっかけは「離婚」です。

また、親子の場合は、嫁姑の不仲からの共有解消などが考えられます。
共有名義を始める時は登記をするだけですが、解消する時はかなりの労力がかかり、最悪、泥沼化することもあります。

一言で共有解消と言っても、様々な選択があります。
ここでは、その中から代表的なものをご紹介します。

「共有名義を解消するのは大変なんだな」ということをリアルにイメージしてみてください。

選択1 不動産を現金化して分ける

不動産を処分して現金化し、それぞれの持分比率に合わせて分ける方法です。

たとえば(諸費用を除いた手残りの)売却額が2000万円で持分比率が夫60%・妻40%であれば、夫1200万円・妻800万円で分配するといった具合です。




選択2 住み続けたい方の単独名義に切り替える

共有者のどちらかが住み続けたいと主張するケースもあります。
こういった時は、住み続ける方の単独名義にするのが望ましいです。

もし、単独名義に変更しなければ、出ていく方も引き続きローン返済の義務を負います。
住み続ける側からしても、相手の収入激減などでローン返済が滞れば、住む場所を失うリスクがあります。

出ていく方の持ち分をなくす具体的な方法としては、住み続ける方に対して財産分与する、あるいは、(住み続ける方が)現金で買い取るといった方法が考えられます。

選択3 出ていく側がローンを完済して財産分与する

共有者のどちらかが住み続けたいと主張するケースで「ローン返済中のパターン」も考えてみましょう。

トラブルを回避する方法としては、出ていく方が現金で自分の持分の残債を完済し、住み続ける方に財産分与するなどの方法があります。

これなら納得が得られやすいでしょう。

また、住み続けたい方1人の名義にローンを借り換える方法もあります。
が、住み続けたい方が低収入だと借り換えが難しいケースも考えられます。

こうなると現実的には、共有名義のまま完済を目指すしかありません。
しかし、どちらかのローン返済が滞れば、差し押さえられるリスクがあります。

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