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病気の人は自動車の運転をしてはいけない!?

No51持病で運転

動画解説はこちら



「自動車運転死傷行為処罰法」の中に、新たに規定された「病気の影響による危険運転致傷」が初適用された自動車事故が起きてしまいました。

病気の人は、自動車を運転すると犯罪になるということでしょうか?

詳しく解説していきます。

事件はこうして起きた

「てんかんで事故の男逮捕、札幌 処罰法初適用」(2014年6月10日 共同通信)

札幌東署は、無免許で自動車を運転し、持病のてんかんの発作を発症して軽傷事故を起こしたとして札幌市のアルバイトの男(26)を、自動車運転処罰法違反(危険運転致傷、無免許)の疑いで逮捕しました。

札幌市内の道路で、無免許でワゴン車を運転中、男はてんかんの発作を起こした影響で対向車線にはみ出し、無職男性(79)の乗用車と衝突。
男性に軽傷を負わせた疑いです。

容疑者の男は、2009年8月にも無免許運転でひき逃げ事件を起こしていたということで、調べに対し、「免許は取れないとあきらめていた」と語っているようです。

事故当時、男は意識がなく全身がけいれんしていたということです。

リーガルアイ

2014年5月20日に施行された「自動車運転死傷行為処罰法」では、以前の法律よりも「危険運転致死傷」の適用範囲を広げています。

アルコールや薬物の他に、適用する要件には特定の病気による影響も含まれていて、正常な運転が困難な状態で走行することを対象としています。

これには、2011年4月、栃木県鹿沼市で起きた、てんかん患者の運転手の発作により小学生6人をはねて死亡させた「鹿沼市クレーン車暴走事件」や、2012年4月に起きた「亀岡市登校中児童ら交通事故死事件」などを受けての新法成立という背景があります。

「自動車運転死傷行為処罰法」
詳しい解説はこちら⇒ http://taniharamakoto.com/archives/1236

今回の事故の容疑者の場合、てんかんの持病があるために運転に困難な状況が起こることを自覚していながら、免許を取得することをあきらめ、故意に無免許運転を繰り返していたことで、危険運転致傷に無免許運転が加重されたわけです。

不幸中の幸いで、この事故では相手の被害者のケガが軽傷でしたが、刑罰は非常に重い罪で、最長で懲役20年になります。

では、政令で定める「特定の病気」にはどのようなものがあるのでしょうか?
正常な運転が困難な状態になる可能性があるものとして、以下の病気が指定されています。

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