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危険!汚い!「空き家」を放置すると法律違反?


イラスト 86

動画解説はこちら



倒壊などの危険があり、衛生的にも問題がある「空き家」に対応するための新法が完全施行されました。

今回は、「空家対策特別措置法」に規定された、危険な「特定空き家」の基準について解説していきます。

問題の核心をチェック

国土交通省は、空き家対策を進める特別措置法が完全施行されたのに合わせ、周辺環境に悪影響を及ぼし撤去命令などの対象となる「特定空き家」の判断基準を示した市町村向けガイドラインを公表した。

著しく傾いているなど建物自体の危険性の問題に加え、ごみの放置による臭気など衛生上有害なケースも対象になり得るとしている。

特別措置法は、危険な放置空き家について、市町村などの自治体に立ち入り調査の権限を付与。
特定空き家に認定した場合は、所有者に修繕や撤去などの勧告、命令を行えるほか、最終的に行政代執行による撤去もできると定めている。

リーガルアイ

2015年2月26日に、その一部が施行された「空家対策特別措置法」は、「特定空き家」に関する部分を含め5月26日に完全施行となりました。
その目的は、次のように定義されています。

「適切な管理がされていない空き家が防災、衛生、景観などで地域住民の生活環境に深刻な影響をおよぼしていることから、その生命、身体、財産を保護するとともに、空き家の活用を促進する」(第1条)

空き家には、普通の空き家と特定空き家があります。
特定空き家とは、以下のものをいいます。(第2条2項)

・倒壊等、著しく保安上危険となるおそれのある状態
・著しく衛生上有害となるおそれのある状態
・適切な管理が行われないことにより、著しく景観を損なっている状態
・その他、周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態

この特定空き家の基準について、詳細が公表されているので以下にまとめます。

1.「そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態」
①建築物が著しく保安上危険となるおそれがあるもの
(a)建築物が倒壊等するおそれがあるもの
・建築物の著しい傾斜(柱の傾斜など)
・建築物の構造耐力上主要な部分の損傷等(基礎・土台や柱・はり等の破損、変形、腐朽など)

(b)屋根、外壁等が脱落、飛散等するおそれがあるもの
・屋根の変形等(ふき材の剥落、軒の腐朽など)
・外壁の剥離、破損、脱落等(貫通する穴が生じている、外壁の仕上材料の剥離、破損など)
・看板、給湯設備、屋上水槽等の剥離、破損、脱落等
・屋外階段、バルコニーの腐食、破損、脱落等
・門、塀のひび割れ、破損等

②擁壁(ようへき)が老朽化し危険となるおそれがあるもの
・擁壁表面の水のしみ出し、流出
・水抜き穴の詰まり
・ひび割れの発生
※擁壁=斜面の土砂がくずれるのを防ぐために設ける土留め構造物

2.「そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態」
①建築物又は設備等の破損等が原因で以下の状態にあるもの
・吹付け石綿等が飛散し暴露する可能性が高い状況
・浄化槽等の放置、破損等による汚物の流出、臭気の発生があり、地域住民の日常 生活に支障を及ぼしている状態
・排水等の流出による臭気の発生があり、地域住民の日常生活に支障を及ぼしている状態。

②ごみ等の放置、不法投棄が原因で以下の状態にあるもの
・ごみ等の放置、不法投棄による臭気の発生があり、地域住民の日常生活に支障を 及ぼしている状態。
・ごみ等の放置、不法投棄により多数のねずみ、はえ、蚊等が発生し、地域住民の 日常生活に支障を及ぼしている状態。

3.「適切な管理が行われていないことで著しく景観を損なっている状態」
①適切な管理が行われていない結果、既存の景観に関するルールに著しく適合しない状態にあるもの

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