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隣人トラブル!ベランダ喫煙への法的対処法とは?



日常生活を悩ます、ご近所トラブルや隣人トラブル。

近年は、さまざまな種類のトラブルが発生していますが、その中のひとつにタバコの喫煙に関する問題があります。

問題の核心をチェック

ある50代の主婦のお悩み。

マンションの隣室の住人が、ベランダでタバコを吸っている。
風向きによっては自分の部屋に煙が流れ込んできて困っている。
タバコの煙は大嫌いで、受動喫煙による健康被害も心配。

どのように対処すればいいのか?
また、法的にはどのような手段をとることができるのか?

リーガルアイ

隣人トラブルといえば、以前から多くあったのは騒音によるトラブルでした。
隣家やマンションの隣室の生活音やピアノなどの音、さらには最近では幼稚園や保育園の子供たちの声までが問題になっているケースもあります。

また最近では、ごみ屋敷問題や危険な空き家問題、ハトの糞害、イルミネーションなどの光害から、中には家の前の道路を塞いで近所の人が通れないようにしたトラブルなどもあります。

隣人トラブルの解説はこちら⇒
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そうした中、世界的な禁煙志向やタバコ離れの影響もあり、タバコの臭いを敬遠する人や受動喫煙による健康被害に敏感な人が増えています。
そのため、質問者のような悩みを抱えている人も増えているようです。

【ベランダ喫煙に関する訴訟の事例】
タバコによる隣人トラブルでは、次のような事例があります。

マンションの下の階に住む男性(当時61歳)がベランダで吸うタバコの煙で体調を崩したとして、名古屋市の女性(当時74歳)が150万円の損害賠償を求めて訴訟を提起した。
男性はマンションの4階に、女性は5階に住んでおり、男性は家族がいるときはベランダでタバコを吸っていた。
女性には、ぜんそくの持病があり、下の階から流れてくるタバコの煙をストレスに感じたことで帯状疱疹を発症した。
扇風機や空気清浄機を使用しても煙が気になり、女性は男性に対して手紙や電話で喫煙をやめるように求めた。
しかし、これに応じなかったため提訴した。
男性側は、タバコの煙と女性の体調悪化には因果関係は認められないこと、マンションの規則ではベランダでの喫煙は禁止されていないこと、喫煙しながら景色を眺める楽しさや私生活の自由などをあげて、違法性はないと主張した。
2012年12月、裁判所は「マンションの川に面した景色のよさからも、女性がタバコの煙を防ぐために日常的に窓を閉め切るような環境ではない」、「男性がほかの居住者に著しい不利益を与えながら防止策をとらないことは不法行為に当たる」と女性の主張を認め、精神的な損害の慰謝料として5万円の支払いを命じた。

【マンションのベランダは住民の共用スペース!?】
マンションのベランダは自分の部屋についているものだから、自由に使ってもいいと考えている人が多いと思いますが、じつは必ずしもそうではありません。

通常、一般的なマンションではベランダは住人の専用使用が日常的に認められています。
つまり、マンションの利用規約に特別な規定がない限り、住人が洗濯物を干したり、植物の植木鉢を置いたりしても問題はなく、自由に使うことができます。

ただし、緊急時は要注意です。
災害があった時には、ベランダを通って避難ができるため、べランダはマンションやその住民全体の共用部分とされるのです。

では、ベランダ喫煙問題には、どのように対応すればいいのでしょうか?

判例をひとつのサンプルとしながら、今後の対応について考えてみましょう。

【ベランダ喫煙による隣人トラブルへの対処法】
・管理規約や賃貸借契約書の迷惑行為の禁止条項などを確認しておく
・タバコを吸っている住人の部屋の両隣や上下階の住人がどう感じているか調査する
・管理会社や管理組合に相談して、第三者から相手に伝えてもらう。
・直接的な話し合い、交渉をする

これらの対応をしても、状況が変わらない、相手が何らかの措置を取らないのであれば、法的な手続きを取らざるを得ないでしょう。

まずは、「内容証明郵便」を送ります。
それでも効果がなければ、和解、調停と進みますが、最終的には民事訴訟ということになります。

その際、法的に重要になってくるのが「受忍限度」です。

【受忍限度とは?】
一般の人が社会生活上、我慢すべき限度のことを受忍限度といいます。

騒音の場合であれば、次のようなことなどから判断されます。

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