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早期退職優遇制度と希望退職制度の違いについて




先日、会社が早期退職者の募集を開始するとの通知がありました。

ニュースでは「大手企業〇〇が希望退職者を募集」というものも目にしましたが、早期退職と希望退職には何か違いがあるのでしょうか?


【この記事の著者】 定政社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士 定政 晃弘

新型コロナウイルス感染症の収束が見えない中、早期退職者や希望退職者を募集する企業が増加しています。

早期退職者募集の例ではサッポロホールディングス、希望退職募集の例だとレナウンやレオパレス等があります。

いずれの制度も定年到達前に退職することを求めるという点では同じですが、希望退職者を募集する企業の方が経営上の深刻度は大きいといえるでしょう。

早期退職制度は、企業の赤字に伴い実施されることが通常ではあるものの、黒字であっても行なわれることがあるというのが特徴的です。

その場合、不採算部門の整理であったり、人員構成の見直し(=見直しによりポストを空けて若手社員を登用する)等、積極的な事由に基づくものもあります。

筆者が過去に在籍していた企業でも、黒字を出し続けながらも毎年のように早期退職制度を実施していました。

そして、この制度が早期退職優遇制度ともいわれるように、募集に応じた場合は退職金を割り増しのうえ支給するという「優遇措置」を講ずることで目的を達成しようとします。

企業体力のあるうちに実施されるので、「黒字リストラ」とも呼ばれます。

これに対して希望退職制度は、整理解雇の一歩手前で実施されるものであり、企業業績が著しく深刻な状態である場合に実施されるものです(希望退職制度も通常なら割増退職金が支給されます)。

募集に対して応募数が少なかったりする等、計画している人数に達しなければ退職勧奨が行なわれ、最悪のケースとなれば整理解雇という選択も取らざるを得なくなるでしょう。

早期退職制度も希望退職制度も企業側の「誘引」(応募するように誘うこと)であり、社員が応募しなければ制度が成立しません。

しかし、

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