請求書を送ったのに入金されない時の対処策として、ネット上ではよく「内容証明の送付をする」という解説が目立ちます。
しかし、リアルなビジネスは、そこまで単純なものではありません。
ワンクッションを置いてから内容証明を送るのが賢明です。
目次
内容証明の送付で「消える未払金」が延長される
請求書を発行した代金は、未払いの段階では「売掛金」の扱いになります。
この売掛金の有効期限は「請求日から2年間」になっていますが、内容証明を送ることで消滅期限が6ヶ月間延長されます。
内容証明とは「誰が、いつ、どの人」に郵便を送ったかを日本郵便が証明してくれる制度です。
トラブルが裁判などに発展した際の証拠になります。
内容証明について詳しく知りたい方は、下記の日本郵便の解説をご覧ください。
内容証明の文面で最低限、必要な要素は?
内容証明の書面については自由ですが、「どんな商品やサービスの代金が、いくら支払われていないか」を明確にすべきでしょう。
合わせて、「いつまでに、どんな方法で入金してほしいか」を記載します。
注意したいのは、内容証明は相手方の「代表者宛」に送るということです。
通常の請求書は担当者宛に送りますが、未払いなどのトラブルに発展した時は「会社 対 会社」の交渉になります。
こちら側も代表者名で書面を作成し、社判を押して送付しましょう。
「内容証明 売掛金 文例」などのキーワードで検索すると、文例のフォーマットが出てきます。
それを参考に自社に合った内容証明を作成してください。
内容証明を送る前にやるべきことがある
期限が延長されるとはいえ、いきなり内容証明を送りつければ相手方が驚いてしまいます。
それによって、相手方が頑な姿勢になってしまうケースもありえます。
まずは内容証明を送る前に「なぜ入金がされないのか」を相手方にヒアリングすることが先決です。
その結果、例えば、請求書が届いてない(見当たらない)ことが原因であれば、再送付すれば済みますし、商品やサービスに対する不満があるなら、その解決に全力を注ぐべきです。
あるいは、経営が悪化して入金できないのであれば、分割支払いやリスケジュールといった手段もあるかもしれません。
こういった努力をしたり、再三の支払い要請をしたりしても、相手方が誠意を見せないのであれば、消滅期限前に内容証明の送付を実行します。
内容証明を送った後は裁判手続きが鍵になる
内容証明を送った後も未払いが続いている時は、裁判の手続きをとるしかありません。
内容証明送付後、6ヵ月以内に裁判の手続きをとることで、期限を延長することができます。
逆に言うと、内容証明を送っても裁判手続きをとらなければ、6ヵ月を過ぎると売掛金が消滅するため注意が必要です。
この段階まで来ると、弁護士に相談するのが得策です。
内容証明を送った後、反応がない場合はすぐに相談しましょう。
こまめな入金確認が未払いトラブル防止に
売掛金の未払いトラブルについては、スピーディーな対応が何より重要です。
入金予定日が過ぎて、かなりの期間が経ってから督促をしても事実確認が大変になりますし、相手方が決算を終えていた場合、手続きが煩雑になりがちです。