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世の中には、「いたずら」で済ませられる範囲のものであれば、子供のしたことだからと許されもします。
しかし、20歳を過ぎた大人が、いたずらでは済まされない危険な「悪ノリ」「悪ふざけ」をやらかして、こともあろうに、インターネットの生中継で発信していたという事件が起きました。
事件はこうして起きた
「コーヒー店に爆竹投入、ネットに生中継 危険行為に怒りの声」(2014年4月8日 FNNフジニュースネットワーク)
報道によると、事件が起きたのは4月4日午後10時半すぎ。
20代の2人の男が、名古屋市内にあるコーヒー店に爆竹を投げ込み、その一部始終をインターネットの投稿サイト「ニコニコ動画」で生中継していました。
「そろそろ、ショータイムといきましょうか」
「入れたら、俺、ダッシュで逃げるから」
などと男たちは実況中継しながら爆竹の導火線に火をつけ、入口から店内に投げ入れると脱兎のごとく逃げ出し、「テロだと思ってるだろうね、たぶん、お客さん」などと話していたということです。
動画を観た視聴者から批判が相次ぎ、男たちは5日、愛知県警中署に自首。
幸いお客さんにケガはなかったようですが、警察は、威力業務妨害罪などで書類送検する方針とのことです。
なお、投稿サイトには、他にも同様の「悪ノリ」動画が掲載されていたようです。
リーガルアイ
動画投稿サイト「You Tube」や、「ツイッター」などのSNSの発達にともなって、いたずらというには度が過ぎる、悪ふざけを撮影した動画や画像を投稿する「悪さ自慢」による事件が相次いでいます。
「神大生らUSJで大暴れ ボート転覆、乗り物から飛び降り…学生処分へ」(2013年4月9日 産経ニュースWEST)
大阪市にあるテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ)で、神戸大や同志社大の学生が、ボートをわざと転覆させてアトラクションを運休させる、乗り物から飛び降りるなどの迷惑行為をしたり、アトラクションで身を乗り出して柱にぶつかり、手首の骨を骨折したと虚偽の内容を投稿サイト「ツイッター」に投稿するなどを繰り返した。ネットでは批判が相次ぎ、たびたび炎上。問題の学生は、ネットの書き込みや虚偽の投稿に対して、「人と違うことがしたかった」などと説明していたが、USJは大阪府警に被害届を提出。学生らは、威力業務妨害容疑などで書類送検された。
「東京、大阪、博多で殺人予告 動画投稿の17歳逮捕」(2013年6月21日 産経ニュース)
警視庁少年事件課は、インターネット動画投稿サイト「You Tube」で、東京、大阪、博多での無差別殺人を予告して鉄道会社の業務を妨害したとして、東京都練馬区の無職の少年(17)を威力業務妨害容疑で逮捕した。少年は、「殺人予告1」などと題した動画を投稿し、「6月14日に東京、大阪、博多駅のいずれかで無差別で人を殺害する」と予告。西武新宿線新宿駅の職員らに駅構内を巡回させ、業務を妨害した疑い。少年は他にも、大阪などでスマートフォンで撮影した計5本の殺人予告動画を投稿。平成23年2月にも、インターネット掲示板で新宿駅での無差別殺人を予告して同容疑で逮捕、医療少年院に送致されていた。
また他にも、昨年8月に「ポリゲー」と称してウソの通報などをして、警察に追われることをゲームのように楽しんでいた大阪の15~16歳の少年8人が、交番で消火器を噴射し威力業務妨害容疑で逮捕されたという事件も起きています。
では、「威力業務妨害罪」とはどのような犯罪でしょうか?
条文を見てみましょう。
「刑法」
第234条(威力業務妨害)
威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。
ここでいう前条とは、第233条(信用毀損及び業務妨害)のことで、これを犯すと、