会社を立ち上げ、事業を軌道に乗せるために事業計画書の作成は必要不可欠です。
事業計画書は会社の運営方針や業績目標を設定する際に活用できますし、融資を受ける際に提出を求められることもありますので、今回は事業計画書を作成する必要性について解説します。
【この記事の監修者】
讃良周泰税理士事務所 税理士 讃良 周泰
目次
事業計画書とは
事業計画書は、会社の事業内容や方針、売上の見通しを説明するために作成する書類です。
法的に義務付けられている書類ではないため、事業計画書を作成しなくても罰則を受けることはありません。
しかし事業計画書を作ることで、事業をどのように立ち上げ継続していくかの方向性を定めることができますし、融資を受ける際に金融機関へ会社の経営状態・方針を伝えるための資料として用いる活用方法もあります。
また会社の経営方針を見直す場合、事業計画書があれば改善点や運営方針の変更点を見つけやすく、専門家の意見を取り入れて新たな事業計画書を作成し直すことも可能です。
会社の存在意義を明確にすることは経営していくためには重要ですので、会社を立ち上げる際は事業計画書を作成した方がいいでしょう。
事業計画書を作成すべき3つの理由
事業計画書は3つの理由から作成する必要性があります。
会社の事業内容・方針を明確にするため
起業する際は、会社の経営方針を決めておくことが重要です。
会社の経営方針が定まっていないと、収益は効率よく上がりませんし、色々な事業に手を出してしまうと失敗するリスクが高くなります。
また個々では有益な商品やサービスでも、会社の経営方針から外れた事業であれば見直しが必要になることもあります。
事業計画書で事業内容や経営方針を定めていれば、事業の進捗状況を把握しやすいですし、経営方針と現状を照らし合わせて方針の軌道修正が可能です。
資金調達する際のプレゼンテーション資料
会社の事業運転資金を得る手段には、金融機関から融資を受けたり投資家から出資してもらうことになりますが、事業計画書は融資・出資を受ける際のプレゼンテーション資料としての役割もあります。
経営状態が悪ければ金融機関からお金を借りることは困難ですし、経営状態が良好だとしても将来の見通しを示すことができなければ、融資を受けられないことも考えられます。
そのため金融機関には借入金を返済できる根拠を示す必要があり、会社の売上や借入金の返済状況を記載した事業計画書を提示することは必須です。
また投資家に出資してもらう場合、会社の事業内容が出資する価値があることをアピールしなければいけません。
事業計画書には経営方針以外に、会社の理念や長期的な展望を盛り込むこともできるため、会社の魅力を伝える資料としても役立てることができます。
事業仲間から信頼を得るため
会社は一人では運営できませんので、協力してもらえる仲間を得ることは大切です。
仕事に取り組む仲間を募集する場合、会社がどのような方針で経営するのか不明確であれば一緒に働いてくれませんし、取引相手を探すにしても、先方から見て信用できる会社でなければ取引に応じてくれることはありません。
創業当初は実績がないので、事業計画書には会社の存在価値を示す手段としての役割もあります。
事業計画書を作成する時期
事業計画書はいつでも作成することができますし、1度作成した計画書を変更・修正することも可能です。
ただ毎年作る書類でもありませんので、事業計画書を作成すべき3つのタイミングをご紹介します。
会社創業時は必ず作成すること
事業計画書は、会社運営方針を決めるために作成しますので、起業するタイミングで1度作ることが望ましいです。
会社の方向性が定まっていないと経営は上手くいきませんので、事業計画書で将来への展望を描いてください。
金融機関から融資してもらうタイミング
金融機関からの融資は会社の生命線になりますので、融資の有無や金額を決める際の交渉材料として事業計画書の中身は重要です。
創業時に融資を受けるのであれば、会社をどのように事業展開するのかを説明できるようにしなければ融資を受けることは難しいです。