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定期金の権利に関する相続税評価額の計算方法を解説

定期金の相続税評価額は、受取期間や定期金の給付事由が発生しているか否かによって評価のしかたが異なります。

本記事では、定期金に関する権利の相続税評価額の計算方法について解説します。

【この記事の監修者】
讃良周泰税理士事務所 税理士 讃良 周泰

定期金給付契約に関する権利の概要

定期金給付契約に関する権利は、契約により一定の期間、金銭などの給付を定期的に受けることを目的とする債権です。

定期金に関する権利の評価方法は平成22年度税制改正で大きく見直され、税制改正前に相続税対策の一環として保険等を契約していた場合でも、相続開始時点の状況で判断しなければなりません。

相続税法では、定期金給付契約により定期金関する権利を取得した場合の評価方法は、生命保険契約を除く定期金給付契約のうち、権利取得時に給付事由が発生してる場合と給付事由が発生していない場合とで評価方法が区分されています。

たとえば、定期金給付契約に関する権利の取得時に定期金給付事由が発生しているときは、有期定期金・無期定期金・終身定期金の態様に応じて評価額を算出します。

一方で、一時金で支払い(給付)を受ける生命保険金や損害保険金、退職手当金等については、一時金の額を分割の方法により利息を付して支払い等を受ける場合でも、一時金として評価することになります。

定期金給付事由が発生している定期金の相続税評価額

定期金給付事由が発生している定期金に関する権利は、有期定期金・無期定期金・終身定期金の種類ごとに相続税評価額の計算方法が定められています。

有期定期金の評価方法

有期定期金は、一定の期間定期的に金銭等を受け取る権利をいい、次に掲げる方法で算出した金額のうち、最も多い金額が相続税評価額となります。

<評価方法>
・定期金給付契約に関する権利の取得時点で、その契約を解約するとした場合に支払われるべき解約返戻金の金額
・定期金に代えて一時金の給付を受けることができる場合、定期金給付契約に関する権利の取得時点での一時金の金額
・定期金給付契約に関する権利の取得時点において、その契約に基づき給付を受ける定期金の1年あたりの平均額に、残存期間に応じた予定利率による複利年金現価率を乗じた金額

「複利年金現価率」は、年金など毎年支払われる金額を一定期間運用した場合において、最終的に算出される総額の現在価値を求める際に用いる係数です。

無期定期金の評価方法

無期定期金は、期間の定めのない定期的に金銭を受け取れる権利をいい、次に掲げる方法で算出した金額のうち、最も多い金額が相続税評価額となります。

<評価方法>
・定期金給付契約に関する権利の取得時点で、その契約を解約するとした場合に支払われるべき解約返戻金の金額
・定期金に代えて一時金の給付を受けることができる場合、定期金給付契約に関する権利の取得時点での一時金の金額
・定期金給付契約に関する権利の取得時点において、その契約に基づき給付を受けるべき金額の1年あたりの平均額を、その契約に係る予定利率で除した金額

終身定期金の評価方法

終身定期金とは、対象者が死亡するまでの期間、定期的に金銭等を受け取れる権利をいい、次に掲げる方法で算出した金額のうち、最も多い金額が相続税評価額となります。

<評価方法>
・定期金給付契約に関する権利の取得時点で、その契約を解約するとした場合に支払われるべき解約返戻金の金額
・定期金に代えて一時金の給付を受けることができる場合、定期金給付契約に関する権利の取得時点での一時金の金額
・定期金給付契約に関する権利の取得時点において、給付金額の1年あたりの平均額に対象者の余命年数に応ずる予定利率による複利年金現価率を乗じた金額

評価額を計算する際に用いる平均余命は、厚生労働省が公表している「完全余命表」で確認します。

対象者の年齢は、定期金に関する権利を取得した時点の満年齢で判断し、1年未満の端数は切り捨てます。

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