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消費税の税抜経理方式と税込経理方式の特徴と相違点を解説

消費税の会計処理には「税抜経理方式」と「税込経理方式」があり、事業者は任意でいずれかの経理方式を選ぶことができます。

経理方式の違いで納税額が変わることはありませんが、事業内容等によって推奨される経理方式は違いますので、今回は税抜経理方式と税込経理方式のメリット・デメリットについて解説します。

【この記事の監修者】
讃良周泰税理士事務所 税理士 讃良 周泰

税抜経理方式による経理処理

消費税の税抜経理方式は、消費税を含めないで仕訳を行う経理処理です。

課税売上に係る消費税等の額は「仮受消費税等」、課税仕入れに係る消費税等の額は「仮払消費税等」として計上し、決算時に仮受消費税等と仮払消費税等を相殺し、納付額または還付額を算出します。

たとえば消費税率10%が適用される商品を8,000円(税抜き)で掛仕入し、10,000円(税抜き)で現金で販売した場合、仕訳は次のように行います。

<仕入時>
(借方)
仕入 8,000円
仮払消費税等 800円

(貸方)
買掛金 8,800円

<売上時>
(借方)
現金 11,000円

(貸方)
売上 10,000円
仮受消費税等 1,000円

所得税または法人税の所得金額を計算する際、適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れを対価の額と区分して経理した消費税等の額は、課税仕入れに係る取引の対価の額に含めることになります。

ただし、適格請求書等保存方式(インボイス制度)開始後一定期間は、適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れに対する経過措置が設けられており、従前の仕入税額相当額の一定割合(80%または50%)を仕入にかかった消費税として控除することができます。

この経過措置を適用する課税仕入れについては、支払対価の額のうち適格請求書等保存方式開始前の仮払消費税等の額の80%相当額または50%相当額を仮払消費税等の額とし、残額を取引対価として所得税または法人税の所得金額を計算します。

税込経理方式による経理処理

消費税の税込経理方式は、課税売上に係る消費税等の額は売上金額、課税仕入れに係る消費税等の額は仕入金額などに含める経理処理です。

消費税等の納付税額は租税公課として必要経費または損金の額に算入しますので、仕訳は税抜経理方式よりも簡潔になります。

消費税率10%が適用される商品を8,000円(税抜き)で掛仕入し、10,000円(税抜き)で現金で販売したケースにおける仕訳は次の通りです。

<仕入時>
(借方)
仕入 8,800円

(貸方)
買掛金 8,800円

<売上時>
(借方)
現金 11,000円

(貸方)
売上 11,000円

なお、消費税の免税事業者については、税抜経理方式で経理をしている場合でも、所得税または法人税の所得金額を計算する際は税込経理方式を適用することになるので注意してください。

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