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棚卸資産の評価方法の種類とそれぞれのメリット・デメリットを解説

棚卸資産の評価方法には「原価法」と「低価法」があり、評価方法を選ぶためには事前届出が必要です。

本記事では、棚卸資産の評価方法の種類と、各評価方法の特徴について解説します。

棚卸資産の評価方法の選定単位

法人の棚卸資産の評価方法は、それぞれの事業の種類ごと、かつ、棚卸資産の区分ごとに原価法または低価法のいずれかを選定することになります。

選定する際は事業所別に、または棚卸資産の区分を更に種類の異なるごと、その他合理的な区分ごとに細分し、それぞれ異なる評価方法を選ぶことも可能です。

原価法の種類と評価方法

原価法は、事業年度終了時に残っている棚卸資産の取得価額を算出し、その算出した取得価額を基にして期末棚卸資産の評価額を計算する方法です。

原価法による評価方法は6種類存在し、それぞれにメリット・デメリットがあります。

最終仕入原価法

最終仕入原価法は税務上で定められている法定評価方法で、期末棚卸資産の単価を基に評価額を算出します。

最後に仕入れた棚卸資産の単価から評価額を計算するため、簡単に評価額を算出できるのが特徴です。

デメリットとしては、実際の棚卸資産の価額を反映することができないため、棚卸資産の単価の変動が大きい場合、実際の価額と評価額に乖離が生じる可能性があります。

個別法

個別法は、期末棚卸資産のそれぞれの取得価額から棚卸資産の評価額を算出する方法です。

算出された評価額は、棚卸資産の仕入れ・払い出しの流れと一致するため、期末時点の棚卸資産の価額を正確に把握することができます。

一方で、個別法は棚卸資産を個々に評価しなればならないことから、管理コストがかかるのがデメリットです。

先入先出法

先入先出法は、先に仕入れた棚卸資産から払い出しが行われたものとして、棚卸資産の評価額を算出する方法です。

後から仕入れた棚卸資産が先に払い出された場合でも、計算上は先に仕入れた棚卸資産から払い出しを行ったと考えて計算します。

一般的に棚卸資産は先に仕入れたものから払い出しを行うため、実態に近い棚卸資産の価額を算出することができますが、仕入時期等のデータを管理する必要があるため、管理作業に一定の工程を要します。

総平均法

総平均法は、仕入れた棚卸資産の合計額を数量で割って単価を算出する方法です。

棚卸資産の評価額を簡便に算出できるメリットがある一方、期間内の仕入価額が確定しないと平均単価を計算することはできません。

移動平均法

移動平均法は、棚卸資産を仕入れた都度、平均単価を算出する方法です。

評価時点の棚卸資産の平均単価を把握できるメリットがありますが、平均単価を計算するためには、棚卸資産の払い出し・払い出された数量を把握する必要があるため、商品や仕入れの回数が増えるほど計算が複雑化します。

売価還元法

売価還元法は、期末棚卸資産の売価に現価率を乗じて評価額を計算する方法です。

棚卸資産をグループ分けし、まとめて評価することができるため、多様な商品を取り扱っている場合でも、評価額を簡単に計算できます。

注意点としては、グループ分けが適切に行われていないと、棚卸資産の評価が実情に即さない形になるため、値入率の違いなどによりグループを分けるなどの工夫が必要です。

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