契約書のひな形、内容証明郵便書式、労務書式、
会社法議事録・通知書のテンプレートが無料

派遣労働者の「同一労働同一賃金」対応で「労使協定方式」を採用する際の通勤手当の取扱いでの注意点とは?


派遣労働者の同一労働同一賃金対応について、当社では「労使協定方式」を採用する方針です。
通勤手当の取扱いについてはどのようになるのでしょうか?


【この記事の著者】 定政社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士 定政 晃弘

派遣会社が派遣労働者に対する通勤手当は、「時給(基本給)に含まれる」あるいは「支給しない」というのがこれまでは一般的でした。

しかし、派遣労働者の同一労働同一賃金対応で「労使協定方式」を採用する場合、「一般賃金」である通勤手当についても、あらかじめ定められた方法に従い、支給しなければならないこととなりました。

その方法とは2つあり、どちらを選択するかは労使の話し合いによります。

方法1

実費を支給することにより同等以上を確保する場合
①通勤手当を実費で支給する+支給上限がない場合
⇒同等以上支給されているとみなされるので問題なし。

②通勤手当を実費で支給する+支給上限(例えば月10,000円まで支給)がある場合
⇒一般通勤手当(72円 注1)以上の額であることが必要。

なお、72円は1時間当たりに換算された金額であるため、実費を以下の計算式により1時間当たりの額に換算の上、72円と比較する。

◆計算式
72円 × 1日の所定労働時間 × 週の所定労働日数 × 52週 ÷ 12か月

※1日の所定労働時間が8時間、週の所定労働日数が5日の場合は12,480円となるため、支給上限がこれを下回る場合は、<方法2>に該当するとして取り扱われるため、少なくとも12,480円以上にしなければならない。

【関連記事】1か月平均所定労働時間の正しい考え方と計算方法とは?

方法2

定額で支給(例えば全員一律月10,000円を支給)等をすることにより、一般の労働者の通勤手当に相当する額と同等以上を確保する場合
⇒一般労働者の1時間当たりの通勤手当に相当する額を一般通勤手当(72円)とする。

ただし、

PREVNEXT

関連記事

民事信託の基礎知識。制度の特徴と活用すべきケースを解説

高齢化社会の日本では、認知症により自己の財産を管理できなくなるケースが増えており、その対策として注目されているのが民事信託です。 民事信託は財産管...

法律から考える!自動運転車の問題点と未来像

自動運転車の開発競争が世界中で加熱しています。 しかし、実用化には技術的な問題とともに、さまざまな法整備の問題が指摘されています。 ...

就業規則違反の内容と懲戒処分の重さが均衡でない場合のリスク

男性社員が女性社員に対して卑猥な言動を行ったことが分かりました。 当社は、「ハラスメントは絶対に許さない」という社内方針があり、この社員を...