医療法人を設立した場合、デメリットとして考えられることは何でしょうか?
【この記事の著者】税理士法人晴海パートナーズ 税理士 小島 浩二郎
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医療法人化のデメリットとして考えられることはいくつかあります。
例えば、以下のようなものです。
目次
健康保険・厚生年金といった社会保険の加入が強制となり、医療法人の負担が増加します。
個人クリニックで社会保険の加入義務がない場合でも、医療法人後は従業員の人数に関係なく、強制加入の対象となります。
社会保険に加入するということは、医療法人において従業員の社会保険料にかかる事業主分の負担が増加するということです。
ただ、デメリットだけではなく、社会保険が強制加入ということで、福利厚生が安定しているというイメージがアップし、採用が厳しい看護師などのスタッフを雇用する際に、しっかりしているというイメージを与えることができます。
医療法人の現預金は、院長の自由には使えません。
医療法人後は、理事長先生でも医療法人のお金を私的に流用することはできません。
もし、個人の資金繰りのために医療法人から私的に借りた場合には利息を付けて返済しなければなりません。
医療法人では、理事長が私的に使ったお金は、役員貸付金もしくは役員賞与(経費にならない)と認識されてしまいます。
小規模共済等から脱退しなければいけません。
個人医院では退職金は出せませんが、代わりに小規模企業共済に加入されている方も多いと思います。
この制度は、医療法人になると加入することができなくなり脱退しなければなりません。
同時に厚生年金に加入すると年金基金は脱退しなければなりません。
届書などの手続きが発生します。
医療法人を設立すると、複雑な事務処理が発生します。
医療法人の運営には、都道府県等や保健所、厚生局などへ許認可や届出が必要になります。
多くの場合外部委託されていると思いますので、外部への報酬分でコストもアップします。
廃業した場合、残余財産が分配されません。
株式会社等が解散した場合、債務や税金を支払った後に財産があれば株主にその財産が支払われます。
しかし、平成19年4月1日以降「持分のある」医療法人は設立できません。