近年、不正会計が話題になっていますが、どのような会計処理が多いのでしょうか。その手法について教えてください。
【この記事の著者】 江黒公認会計士事務所 公認会計士 江黒 崇史
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不正会計の手法は多岐にわたりますが、「売上の前倒し」と「費用の繰延」が事例としてはもっとも多いものです。
不適切会計と不正会計の違いとは?
近年、名門企業といわれている会社でも不正会計の事例が生じています。
企業間の競争が激しくなり、経営者は投資家から業績成果を求められます。
そうしたプレッシャーや経営環境の厳しさから、会計処理を不正に行うことで好業績が演出できてしまう不正会計が後を絶たないようです。
ところで会計上、誤りには2種類あると考えられます。
「誤謬」と「不正」です。
どちらも会計上の誤りですが、意図的であるか否かで異なります。
【誤謬】
決算書の誤りではあるが、意図的ではない誤り
例)・会計処理の適用誤り
・事実の見落とし、勘違い
【不正】
経営者、従業員または第三者による意図的な行為に基づく決算書の誤り
例)・資産の流用
・証憑の偽造、改ざん
・取引の隠ぺい
実務上、「誤謬」は自社内での点検や、公認会計士(監査法人)監査の過程でわかることが多く、大きな問題とはなりません。
一方、