契約書のひな形、内容証明郵便書式、労務書式、
会社法議事録・通知書のテンプレートが無料

棚卸資産(在庫)を使った不正会計①

棚卸資産(在庫)を使った不正会計には、どのようなものがあるのでしょうか?


【この記事の著者】 江黒公認会計士事務所 公認会計士 江黒 崇史
http://www.eguro-cpa.com/

在庫の適正な評価をせずに、損失を先送りする不正があげられます。

商売をするには、まず提供する商材を仕入れる必要があります。
自動車でも不動産でも飲食店でも、当然、売るべき商材がなければ商売は始まりません。
そして、会計上、在庫については毎期評価が求められます。

ところで、「評価損」が発生した場合、それは臨時な場合を除き販売目的の在庫から生まれた評価損なので、売上原価として評価損を認識する必要があります。

当然、経営者としては、「売れると思って仕入れたのだから評価損など不要」という態度を取ることも少なくありません。

しかし、、適正な価格で売れない在庫が滞留することは「不適切な会計処理」ですし、意図的に評価額を誤魔化せば、それは「不正」といえるでしょう。

また、あまり知られていないのですが、じつは在庫が増えると会計上は利益が増えるのです。

たとえば、ある簡易な損益計算書を例にとって見てみましょう。
損益計算書の構造は下記のようになっています。

【簡易 損益計算書】
売上          1,000 
売上原価         300
売上総利益        700
販売費および一般管理費  500
営業利益         200

売上原価は、期首と仕入高と期末在庫の差額で計算されます。

【期首在庫+期中仕入れ△売上原価=期末在庫】
期首の在庫        200
期中の仕入れ分      500
期中の販売分=売上原価  300
期末の在庫        400

さて、もう一度、期末在庫の計算式を見てみましょう。

PREVNEXT

関連記事

契約社員に試用期間を設けることはできるか?

会社が正社員を採用する場合、就業規則の規定に従い、入社後3~6か月程度の試用期間を設けることが一般的です。 これに対し、契約社員のような有期契約労働者に試...

中小企業経営強化税制の活用法:設備投資による税負担の軽減ポイント

中小企業の設備投資を後押しする税制優遇措置として、「中小企業経営強化税制」があります。 この制度は、積極的な設備投資を行う中小企業が活用できる特例...

無断でツイッターに写真投稿すると犯罪!?

今や、フェイスブックやツイッターなどのSNSは生活の一部になった感すらあります。 そのため、多くの人は日常的に何気なく使っていると思います...