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上場企業における単独犯による個人的な不正会計事例を解説




上場企業で行なわれた単独犯による個人的な不正会計事例について教えてください。


【この記事の著者】 江黒公認会計士事務所 公認会計士 江黒 崇史
http://www.eguro-cpa.com/

これまで解説してきた不正会計の事例は、どれも複数名による関与がありました。

会社は組織である以上、不正を行なうのもチームプレーという面もあるのですが、今回紹介する事例は、珍しく単独犯による不正事例です。
社長の、社長による、社長のための不正会計…犯人は代表取締役社長でした。

さて、会社では法令遵守や企業統治が求められることは言わずもがなです。
それが上場会社となれば、なおさらです。
当然、社長が使う経費といってもきちんと管理が求められます。

しかし、今回の不正事例の会社では、社長の経費処理は次のようなプロセスだったため、社長経費については誰もチェックせず、私用・悪用が可能でした。

①社長自身が、立替経費精算書を作成する
②社長自身が、精算書に捺印する(社長以外の者が、精算書を承認するプロセスは存在していなかった)
③精算書を経理部に提出して、立替経費を精算する会計上の処理が行なわれる
④立替経費額が、社長報酬振込口座に月額報酬と併せて振り込まれる

さらに、この会社の悪い点は、もともと「社長活動費用」という予算科目が存在しており、毎月20万円強が計上されていた点でした。
そのため当該社長は、本当は会社活動のための経費ではない場合であっても経費として申請書を作成し、自分自身で精算書を承認していたのです。

その点、報告書では次のように厳しく指摘しています。

「当社では、社内の経費精算ルールが確立しており、当社代表取締役社長を除く役員および従業員は、全て、経費精算ルールを遵守していた。
しかしながら当社代表取締役社長のみが、社内の経費精算規定に定める承認手続きを無視していた。」

実際、以下のような不当な経費申請が行なわれていたようです。

「会議費という経費項目を調査する場合、領収書に記載されている店舗等を調査したところ、既に営業を廃止している店舗等が少なからず存在した」

そもそも、

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