会社の予算を作成しました。効果的な活用の仕方を教えてください。
【この記事の著者】 江黒公認会計士事務所 公認会計士 江黒 崇史
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まずは、月次で予算と実績を比較するとともに、前年同月や当期の累計値などを検証しましょう。
PDCAサイクルとは?
予算を設定したら、予算と実績を月次ベースで比較分析し、差異が生じた場合にはその原因を分析し、必要なアクションを取ります。
特にマイナスの差異の場合は、予算策定時の前提であった事業環境の変化の確認や、現場の行動が事業計画通りであったのかなどを分析する必要があります。
そして、予算策定時の仮説が正しかったのか確認し、次月の行動に活かす必要があります。
これを「PDCAサイクル」と呼びます。
Plan(計画)→Do(計画の実行)→Check(確認)→Act(改善)の頭文字をとっています。
予算は、作成しただけでは何も意味をなしません。
きちんと予算の裏付けとなった事業計画を実行し、確認し、改善して経営に活かしていきましょう。
なぜ月次予算と実績を比較するのか?
例えば、アパレル事業を展開するとします。
3年経って予算と実績を比較したときに予算が未達であった場合に、どうしますか?
出店の立地が悪かったのか?
対象とする年齢層やジャンルが悪かったのか?
当初の事業計画と実際の結果を確認し、改善していくことが必要でしょう。
月次の予算と実績の比較は下記のようなイメージとなります。
上記分析について、会社によっては「部門別」や「地域別」、「店舗別」の予算実績比較を実施してください。
また、損益項目で大事なことは、「前年同月」と「○○年度の累計」の視点を持つことです。
なぜなら、多くのビジネスでは売り上げに季節変動が生じたり、繁忙期と閑散期が生じるため、前年同月と比較する視点が必要となるのです。
様々な視点から比較することの重要性とは?
例えば飲食事業ならば、年末と3月にイベントが多く繁忙期となります。アパレル事業であれば、真冬の2月や真夏の8月は季節の終わりで閑散期となるため、シーズン落ちのセールをして凌いだりします。