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学校で起きた子供の重傷事故では、親は誰に損害賠償請求をすればいいのでしょうか?
法的に解説します。
事件はこうして起きた
「柔道練習で後遺症、学校側に8150万賠償命令」(2015年8月20日 読売新聞)
広島県尾道市の私立尾道高校で、柔道部の練習中に頭を打ち、高次脳機能障害などの重い後遺症が残ったとして、2009年当時、1年生だった男性(21)と両親が同校を運営する尾道学園に計約1億4400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決があり、裁判官は、「事故を防ぐための適切な措置を講じる義務に違反した」として、同学園に計約8150万円の支払いを命じた。
判決によると、男性が入部したのは2009年4月。
翌年5月の練習中に乱取りをしていて、畳に頭を強打。
急性硬膜下血腫などで、記憶障害や言語障害などの高次脳機能障害や視野狭窄が残ったという。
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リーガルアイ
学校(保育所)の管理下における子供の事故、災害では、通常の場合、学校が加入している日本スポーツ振興センターから「災害共済給付金」(医療費、障害・死亡見舞金)が支払われます。
「学校(保育所)の管理下」とは、授業中(保育所における保育中を含む)、部活動や課外授業中、休憩時間(始業前、放課後を含む)、通学(通園)中のことをいいます。
ところで、この災害共済給付金だけでは、特に重大な障害が残った場合など、金銭面ではすべて賄えないことが多いものです。
その場合、被害者や親は学校に損害賠償請求することができます。
なぜなら、その場合、法律的には、学校は親に代わって子供を監督する立場であるため、「代理監督者責任の義務」があるからです。
同時に、教職員の故意または過失によって生じた事故では、その使用者として学校が損害賠償義務を負うことになります。
公立校であれば