固定残業代の時間数が社員によって異なるのは違法か?




当社では固定残業代制度を導入し、手当として支給しています。
1か月の固定残業時間は基本20時間ですが、25時間や22時間の社員もおります。
そのためか、ある社員から「人によって違うのはおかしくありませんか?」と指摘がありました。
当社の導入している方法は問題があるのでしょうか?

【この記事の著者】 定政社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士 定政 晃弘


まず、固定残業代制度(定額残業代制度)を導入することが適法かどうか、という点を確認しておきますが、適切な運用をしている限りは適法です。

適切な制度・運用とは主に次の2点です。(通達より一部抜粋)

1.基本賃金等の金額が労働者に明示されていることを前提に、例えば、時間外労働、休日労働及び深夜労働に対する割増賃金に当たる部分について、相当する時間外労働等の時間数又は金額を書面等で明示するなどして、通常の労働時間の賃金に当たる部分と割増賃金に当たる部分とを明確に区別できるようにしているか。

2.割増賃金に当たる部分の金額が、実際の時間外等労働の時間に応じた割増賃金の額を下回る場合には、その差額を追加して所定の賃金支払日に支払わなければならない。


つまり、労働条件通知書等で「残業代は基本給に含まれる」という表記ではなく、基本給と固定残業代は分けて明示し、固定残業代は月何時間分の残業が含まれるのかも明示すること、また、ある程度残業をした結果、その月の実際の残業代が固定残業代の額を上回った場合はその差額を支給すること、以上を厳守するようにと言っています。

これは、2017年7月7日の最高裁判決を受けて出された通達です。
その後、2018年7月19日の最高裁判決では、上記2点が必須とは限らないという判断がされましたが、実務上では上記2点に沿った形で運用されるのが無難だと思います。

さて、この通達や判例では、「人により固定残業時間が異なる場合」は触れられてはいません。
そういう意味では、グレーだがブラックではないと思うかもしれません。

しかし、

 

 

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