最近、元スポーツ選手がコーチから「モラハラを受けた」として訴訟を起こしたことが話題となっていますが、これはパワハラではないのでしょうか。
パワハラとモラハラの違いがわかりません。
【この記事の著者】 定政社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士 定政 晃弘
このモラハラ騒動とは、フィギュアスケートの元オリンピック代表選手が監督として就任した大学の同女性コーチから、モラルハラスメント(モラハラ)行為を受け、体調を崩し、監督の辞任へと追い込まれたとして訴訟を提起したものですね。
ご本人の会見の内容等を抜粋すると、次のようなモラハラを受けたとのことです。
・「監督に就任して偉そうになった」等の陰口を言われた。
・無視された。
・指導方法(氷上での危険な練習)に対して、やめるよう注意をしたところ激高された。
そして本人と女性コーチとのトラブルは、指導方法の違いの他、学業に支障がないよう練習時間の変更を提案したが、受け入れられなかったことなどが原因のようです。
では、今回の一連の会見や訴状から、女性コーチの行為がハラスメントに該当するのかどうかをまずは検討したいと思います。
「陰口」は音声を録音でもしておくとか、第三者の証言等がなければ、そのような行為があったことを立証することは難しいと思われます。
また、「無視」についても同様のことが言えるでしょう。
「激高」については、その場に居合わせた方が他にもいて、その方たちの証言等を得られればハラスメントと認められる可能性はあるでしょう。
ただし、