契約書のひな形、内容証明郵便書式、労務書式、
会社法議事録・通知書のテンプレートが無料

休職中に労働者を解雇することはできるのか

現在1年以上休職している社員がいます。

休職期間満了まではまだ数か月ほどあるのですが、休職期間満了を待たずに解雇することを検討しています。

法的なリスクがあるでしょうか。

【この記事の著者】 定政社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士 定政 晃弘

まずは休職の基本を確認しておきます。

休職は労働基準法等の法律で定められたものではないため、就業規則にその規定を定めるかどうかは使用者(会社)の自由です。

もし、就業規則に休職規定を定めるのであれば、休職対象となる社員や休職事由、休職期間、休職中や復職時の取り扱い等を定めます。

また、休職は「解雇の猶予措置」という性格があると言われており、私傷病等により労働契約に基づく労務提供が困難になった場合でも、会社は直ちに社員を解雇せず、休職期間中は解雇を猶予するというものです。

したがって、休職せざるを得なくなった社員は、休職期間中に治療・療養等を行うことで復職を目指す一方、休職期間が満了しても復職できない場合は退職扱いとすることが一般的です。

業務上の災害で負傷したり疾病となり、「休業」している社員については、休業する期間およびその後30日間は解雇が禁止という規定(労働基準法第19条)がありますが、「休職」にはそのような制限規定はありません。

そのため、理屈では休職期間中であっても社員を解雇することは可能だと言えますが、会社が定めた休職期間の終了を待たずに解雇措置を講じたとしても、「何のための休職期間なのか?」ということで解雇は無効とされる可能性が極めて高いでしょう。

PREVNEXT

関連記事

税務調査で真っ先に調べられる「計上のズレ」には要注意

税務調査で「計上のズレ」を指摘された経営者の話を聞きました。 計上のズレが起きる理由や注意点などがあれば教えてください。 【この...

貸付事業用宅地等(小規模宅地等の特例)の3年縛りの条件と例外規定

「貸付事業用宅地等」は、貸付用の土地に対して適用できる小規模宅地等の特例です。 平成30年度の税制改正において、貸付事業用宅地等の要件が追加され、...

法人税の収益計上時期の原則と例外。税務調査で指摘されやすいポイント

税務調査は申告漏れだけでなく、売上・経費の計上時期の誤りを指摘されることも少なくありません。 売上の計上時期は、経費に比べて誤りがあったとしても見...