
当社は従業員30人ほどの会社ですが、ある従業員が在職中にもかかわらず、他の従業員複数名へ転職の勧誘をしていたことが分かりました。
どうやら自分が転職するつもりで、「一緒にその会社に来ないか?」と誘っていたようです。
当社としてはこの社員を解雇するとともに損害賠償請求を行いたいと思いますが可能でしょうか。

従業員は会社と雇用契約を締結することに伴い、「誠実義務」を負うことになります。
これは会社における就業規則等のルールを守り、誠実に労働することを意味しています。
就業規則にも誠実義務に関する規定は明記されていると思いますし、その他「服務規律」規定等で具体的に従業員が守らなければならない、違反してはならない事項が列挙されているはずです。
さらに、同業他社に転職したり、退職後に転職前の会社の近隣地域で同業の事業を立ち上げたりすることを避けるため、「競業避止」規定を明記していることも珍しくありません。
このように、就業規則等に規定があっても引き抜き行為は行われているのが実情ですが、在職中の従業員には誠実義務が課せられており、退職後の引き抜きに比べ、その行為の違法性は高いかと思われます。
ただし、どのような場合であっても違法性が認められるわけではありません。
従業員にも職業選択の自由があるからです。
そのため、引き抜きが違法と認められるのは、以下のような場合とされています。





