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高額報酬者に残業代の支払いは必要か?



複数の病院やクリニックを運営している法人です。
人材確保という目的もあり、医師等一部の職員には相応の報酬を支払っています。
そのため、残業代は支給対象外という認識のもと雇用契約を締結していますが、最高裁でこれを否定するような判決が出たと聞きました。
どのような内容だったのでしょうか?


【この記事の著者】 定政社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士 定政 晃弘

「ホワイトカラー・エグゼンプション」という高報酬の専門職について、労働基準法における労働時間規制から除外する制度が国会に提出され、成立断念という状況が続いていますが、そもそもこのような制度が現時点でない以上、「高額報酬だから残業代は不支給で問題なし」とはなりません

裁量労働制に該当する職種のように、一定の条件のもと、必ずしも残業時間に応じた残業代を支払わなくてもよいとされる制度もありますが、労働基準法の原則論は変わっていません。

そこで、ご指摘の最高裁判決ですが、これは神奈川県の私立病院に勤務していた医師の年俸に残業代が含まれているかどうかが争われたもので、1700万円という高額な年俸を得ていたが「残業代は含まれていない」と判断されました。
1審の横浜地裁と2審の東京高裁では「残業代が含まれる」と判断していましたので逆転判決となり、未払残業代の支払いが今後必要となったわけです。
なお、未払残業代の金額については審理が東京高裁に差し戻されたので、そこで算定されるものと思われます。

判決のポイントは2つあるかと思います。

ひとつは、残業代を不支給とできるかどうかは報酬の額だけをもって決定されるものではない、ということです。
過去には同様のケースでありながら、「残業代も含まれている」とした判決もあることにはありましたがレアケースであり、今回の最高裁判決を考えれば今後は認められることはないと考えられます。

もうひとつは、1700万円のうち、いくら分が残業代であるか、つまり「残業代と基本給を区別できない場合は、残業代が支払われたといえない」ということです。
これについては今回の判決で新たに明示されたものではなく、過去の判例に沿った結果です。

以上から、今後の対応策として考えられるものをあげてみますが、

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