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中小企業が商標権を取得するメリットとは?

中小企業は、どのような場合に商標権を取得すればよいのでしょうか?


【この記事の著者】 アイラス国際特許事務所 弁理士 高橋洋平

商標の種類と使用状況を理解すれば、商標権を取得すべき場合が見えてきます。

まず、商標は、以下の3種類に分けることができるといわれています。

・ハウスマーク/会社名等の社標(例:トヨタ)
・ファミリネーム</共通ブランド名等(例:「トヨペット」店) ・ペットネーム/個別の商品名、サービス名(例:プリウス)

また、商標権取得費用は、一般的に10~20万円ほどです。
※企業が扱う商品やサービスの種類数、区分によって異なります

上記を考慮して、商標の取得必要性を検討してみましょう。

ハウスマーク

ハウスマークは、会社名等、会社の顔的商標ですので、製品カタログ、HP、名刺、便箋、看板、販売販促品など、いたるところで使われます。

もし、自社のハウスマークが他社の商標権を侵害していた場合、ハウスマークを付したこれらのすべてを廃棄、又は、それらから商標除去処理を施さなければならないため、小さな企業でも50~100万円以上のコストがかかるでしょう。
ちなみに、私がリサーチしたところでは、飲食店一店舗におけるハウスマーク変更費用は200万円だそうです。

また、ハウスマークを変更すると、その企業が築き上げた信用をまた一から積み上げなければならないため、今まで選んでいただいたお客様から選んでもらえなくなる可能性が高くなります。
お客様から選んでいただけなければ、当然、売上が大きく減少します。

つまり、企業名や企業ロゴなどの「ハウスマーク」は、ほぼすべての企業で必ず商標登録しなければならないことがお分かりいただけると思います。

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ペットネーム・ファミリネーム

その一方、ペットネーム(個別商品等の名称)やファミリネームの場合には、必ずしも商標登録しなければならないかというと、そうではありません。

以下を基準に検討すればよいかと思います。

①その商標に顧客吸引力があるか
例えば、「熱冷却シート」という商品名よりも、

「冷えピタ」(LIONの商標)
「熱さまシート」(小林製薬の商標)

の商品名のほうが売れることは容易に想像できます。

「ブルーレットおくだけ」、「ナイシトール」、「のどぬーる」など、小林製薬の商標を見るとおもわず「上手い」と言いたくなります。
小林製薬は商標を上手く利用して売り上げを伸ばしている企業の代表例といえるでしょう。

このようなキャッチーな商標には顧客吸引力があり、売上に直接関係するので、商標登録するとよいでしょう。

②取引先に不利益を及ぼすか
商品やサービスの提供には、取引先等、他社の力を借りることも多いと思います。

この場合、商標権侵害等の関係で「ペットネーム(商品名等)が変わりました」と取引先等に連絡しなければならない事態になってしまうと、取引先が商品カタログやチラシ等の広告物を変更したり、その商品名変更に対する顧客対応を迫られたりすることになりますので、その取引先に大きな迷惑をかけることになり、しいては、取引先から御社の信用を失うことにもなりかねません。

信用は金銭よりも高い価値を生じることがあります。
取引先に迷惑をかける事態が生じる場合、

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