契約書のひな形、内容証明郵便書式、労務書式、
会社法議事録・通知書のテンプレートが無料

消費税の「みなし譲渡」に該当するケースと廃業する際の注意点

 

 

みなし譲渡は、譲渡資産を無償または低額で売却した際、時価で譲渡したとみなされる規定です。

消費税の課税事業者がみなし譲渡に該当した場合、消費税にも影響が出てきますので、みなし譲渡と消費税の課税関係について解説します。

【この記事の監修者】
讃良周泰税理士事務所 税理士 讃良 周泰

消費税法において「みなし譲渡」とされるケース

消費税の課税対象となるのは、原則国内で事業者が行った資産の譲渡等に対してです。

しかし例外として、譲渡資産を無償または低額で売却するなど、みなし譲渡に該当する場合も消費税の課税対象となります。

個人事業者がみなし譲渡に該当するのは、個人事業者が棚卸資産または棚卸資産以外の資産のうち、事業用として使用していたものを家事のために消費(使用)した場合における、消費または使用した資産です。

一方、法人がみなし譲渡に該当するのは、法人が資産を役員に対して贈与した際の贈与資産です。

個人事業者の家事消費における消費税の取り扱い

個人事業者の自家消費とは、事業用に使用していたものを家事のために消費または使用することをいいます。

個人事業者が自家消費をした場合、資産を消費または使用した時点の価額(時価)に相当する金額を課税標準として、消費税が課税されます。

家事消費は個人事業者だけでなく、個人事業者と生計を一にする親族が消費(使用)した場合も対象です。

また「使用」は、事業用の棚卸資産または棚卸資産以外の資産を家事のためにのみ使用することをいい、事業用の自動車を家事のためにも利用するなど、家事のためにのみ使用する部分を明確に区分できない資産にかかるものは「使用」に該当しません。

みなし譲渡に該当した場合の対価の額

みなし譲渡に該当した場合の消費税の対価の額は、棚卸資産と棚卸資産以外の資産を譲渡した場合で異なります。

棚卸資産がみなし譲渡に該当する場合、次のいずれか以上の金額を消費税の課税標準額とします。

● 棚卸資産の課税仕入れの金額
● 通常他に販売する価額のおおむね50%に相当する金額

棚卸資産以外がみなし譲渡に該当する場合は、譲渡した時点の時価を課税標準額とし、消費税の計算を行います。

個人事業者が事業廃止した際のみなし譲渡の取り扱い

個人事業者が事業を廃止したことに伴い事業用資産に該当しなくなった資産は、事業を廃止した時点で家事のために消費(使用)したものとします。

事業として対価を得て資産を譲渡したものとみなす(みなし譲渡)場合、事業を廃止した時点で資産の通常売買される価額に相当する金額を、事業廃止日の属する課税期間の課税標準額に含めて消費税を計算しなければなりません。(非課税取引に該当する場合は除きます。)

個人事業主が廃業する際のみなし譲渡に伴う消費税対策

消費税の課税事業者が廃業する際のみなし譲渡は、事前に対策することが可能です。

本記事では、3種類のみなし譲渡対策をご紹介します。

廃業前に事業用資産を処分する

廃業前に事業用資産を処分すれば、廃業時にみなし譲渡は発生しませんので、みなし譲渡に伴う消費税の計算をする必要もなくなります。

課税期間中に事業用資産を処分した際の費用は、課税仕入れに含めることができるため、消費税の納税額を少なくすることも可能です。

事業用資産を処分すると廃業後に家事用として使用できなくなりますが、事業用資産を使用しない予定の場合は事前に処分することも選択肢の一つとなります。

消費税の簡易課税制度を利用する

消費税の簡易課税制度は、課税売上高に対する消費税にみなし仕入れ率を乗じて仕入れ控除税額を算出する制度です。

みなし仕入れ率は事業区分に応じて決まっており、実際の課税仕入れよりもみなし仕入れ率により算出した仕入控除税額の方が高くなる場合、消費税の節税効果が期待できます。

簡易課税制度を適用できるのは、前々年の課税売上高が5,000万円以下の事業者で、制度を利用する際は事前に届出書を税務署に提出する必要があります。

また簡易課税制度を選択した場合、2年間は継続適用しなければいけませんのでご注意ください。

PREV NEXT