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税務調査を受ける際の対応方法とやってはいけない行動・発言

税務署の職員が、自宅や事務所に訪れて調査することを「実地調査」といい、実地調査の連絡は前触れもなく突然あります。

税務調査を受けた経験がないと、調査担当者のペースで話が進んでいきますので、連絡を受けた時点の対応方法は、あらかじめ把握しておかなければいけません。

また税務調査でやってはいけない行動や発言もありますので、本記事で税務調査の対応方法と注意点をご確認ください。

【この記事の監修者】
讃良周泰税理士事務所 税理士 讃良 周泰

税務調査は追徴課税するために実施する

税務署は、申告内容を確認するために税務調査を行いますが、最終的な目的は追徴課税で税収を増やすためです。

税務調査は、事前に申告漏れや申告誤りを把握している申告先から優先的に実施し、実地調査を受けると高確率で非違事項を指摘されます。

たとえば令和元事務年度の法人税調査の非違事項があった割合は75%と、4件中3件は申告内容の誤りを指摘されています。

税務調査の連絡があった時点で、税務署は申告内容に何かしらの疑いを持っていることは確実ですので、しっかりとした調査対策の準備と心構えが必要です。

税務調査の連絡があった際の対応のしかた

税務調査には「強制調査」「任意調査」の2種類あり、税務署職員が行う調査は任意調査です。

ただ任意調査であっても調査自体を拒むことはできませんし、調査に応じないと予告なしで調査が実施される可能性もあります。

調査日の希望日はしっかりと伝えること

税務署から実地調査の申し出があった際は、調査を実施する日時の日程調整を行います。

日程調整といっても、休日は指定できません。調査担当者から複数の日程を提示されます。

調査担当者が提示した調査日に必ずしも応じる必要はありませんので、調整が難しい場合は、調査対応ができる日時を提案してください。

実地調査は基本的には10時から始まり、1日中調査は行われます。

法人税調査であれば2日目に突入することもあるため、追徴課税の有無に関係なく時間を労費することは覚悟しなければなりません。

調査対象年分の申告書は事前に確認すること

実地調査は、調査担当者から調査を行う税目と対象年分が伝えられます。

法人や個人事業主であれば3年分は調査対象になりますし、場合によっては調査対象期間が広がることもあります。

調査が始まると提出書類や申告書や帳簿の内容について質問されるため、対象年分の資料には目を通し、即座に回答できるようにしてくだい。

回答出来ない場合や回答の仕方が不十分だと、隠し事をしていると調査担当者に思われ、調査が長引く恐れもあります。

税務調査を受ける際の心構え

調査担当者からの質問に対しては短くハッキリと回答する

税務調査では帳簿などを調べるとともに、納税者に対しての質問が行われます。

おしゃべりになる必要は一切ありませんが、調査担当者からの質問には回答してください。

税務署は調査項目が解明されるまで調査は終わらせませんし、納得できるまで何度も訪問してくることもあります。

調査担当者が非違事項をでっち上げることはありませんが、要領の得ない回答をしていると、対応が厳しくなることも考えらえます。

そのため質問に対する回答は、必要な事項のみを話すように意識してください。

書類の提示の求めには応じること

税務調査の際、積極的に書類を提示する必要はないですが、税務署から書類提出を求められた際はすぐに提出し、調査担当者が反論できないようにすることも大切です。

税務署は領収書などの証拠を重視するため、疑問を解消する証拠を提示できれば、経費を否認されることはありません。

逆に法律の範囲内で行った行為でも、証拠となる書類などを提示できなければ、経費や特例適用が認められなくなる可能性がありますのでご注意ください。

見解が相違した際は意見を伝えることが重要

税務調査では税務署と納税者の見解の相違により、経費計上や特例適用が否認されるケースがあります。

法律では「主たる」や「著しく」など、判断基準があいまいなものも多く、調査担当者は質問に回答しなかったことで、基準を満たさないと判断する可能性もあるので要注意です。

申告誤りや計算ミスは納税者に非違があるため、反論することは難しいですが見解の相違による指摘は納税者側に非違事項はありませんので、税務署の指摘に応じる必要はありません。

税務署は納税者が修正申告に応じない場合、職権で更正手続きを行えますが、更正手続きは、裁判に発展しても勝てると判断するくらい証拠や根拠がある場合にのみ実施されます。

可否判定が難しいケースにおいては、納税者側が折れることを調査担当者が期待していることもありますので、税務署側の指摘に納得できない場合は毅然とした態度で反論してください。

税務調査においてやってはいけない行動

不用意な発言は調査項目が追加される原因になる

調査担当者が調査に訪れた際、すぐに税務調査を実施するわけではありません。

最初に世間話などの会話をしてから帳簿などを確認するのですが、世間話の中に調査担当者が確認したい質問事項を混ぜていることもあります。

法人であれば会社の経営状態や支出は収支に関係しますし、利用している銀行、出張や旅行の頻度も、帳簿と整合性があるかをチェックしています。

世間話の中で出張はほとんどしていないと発言したのに旅費として多額の支出があれば、経費の架空計上を疑われますし、帳簿にない銀行の名前を会話に出せば隠し口座がないか追及されますので、不必要な発言は控えてください。

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