創業融資は起業前後でも利用できる融資制度ですが、審査に落ちれば運転資金が不足し、事業展開に大きな支障が出る可能性もあります。
本記事では確実に創業融資の審査を通過するために注意すべき6つの審査項目と、対策方法について解説いたします。
【この記事の監修者】
讃良周泰税理士事務所 税理士 讃良 周泰
原因①:事業開始後一定期間経過した事業者
創業融資はこれから起業する事業者や、起業して間もない事業者を対象とした制度なので、すべての企業が利用できる融資制度ではありません。
事業を開始してから一定期間経過している企業、事業規模の大きい企業については利用対象外となるケースもあります。
たとえば日本政策金融公庫の新創業融資制度は、新たに創業する事業者、事業開始後税務申告を2期終えていない事業者が対象です。
そのため、すでに事業を開始している企業等は2期経過するまでに融資の申し込みを行うなど、早急な申請手続きが求められます。
原因②:自己資金割合が低い事業者
創業融資の利用条件の一つに、自己資金基準があります。
創業して間もない企業の場合、売上の見通しが立っていないことが多いため、自己資金の有無も審査対象です。
新創業融資制度は、新たに事業を始める方、または事業開始後税務申告を1期終えていない方については、創業時に創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる方を対象としています。
制度融資では、一定割合の自己資金を用意することを求められることがあります。
また利用条件となる自己資金の基準を満たしていても、用意した資金が少なければ審査に影響が出ることも考えられますので、創業時から資金が枯渇している状態は創業融資の審査においてマイナスポイントです。
原因③:創業計画書の内容が不十分
一般的な融資を受ける際は事業計画書を作成しますが、創業融資では「創業計画書」を提出することになります。
創業計画書とは、創業時に事業展開する方針や創業時点の借り入れ状況、取引先、創業者の略歴などを記した書類です。
創業するに至った経緯や具体的な目標、事業の魅力や取扱商品・サービスなどが審査に関係し、創業計画書の内容が抽象的な場合や、売上の見通しが甘ければ審査は通りません。
また元々実績がある人が立ち上げた事業であれば一定の売上は見込めるため、創業者自身がどのような形で業界に携わっていたかも審査のポイントになります。
未経験の業界へ参入する際は売上を伸ばしていく方法を説明できなければ、審査を通過するのは難しくなります。
原因④:返済すべき借入金が多数存在する
創業して間もない事業者が融資を受けにくいのは、