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法人税の青色申告のメリット・デメリットおよび手続き上の注意点

法人税の申告書を青色申告と白色申告のどちらで作成するかは選択制となっており、青色申告で手続きする場合には事前申請が必要です。

節税を第一に考えるのであれば青色申告を選ぶべきですが、手続き上において注意すべき点もありますので、本記事で法人税の青色申告のメリット・デメリットをご確認ください。

【この記事の監修者】
讃良周泰税理士事務所 税理士 讃良 周泰

法人税における青色申告のメリット

法人税の申告書を青色申告で作成する主なメリットは、次の4点です。

・欠損金の繰越控除
・欠損金の繰戻し還付
・少額減価償却資産の損金算入
・中小企業投資促進税制の活用

欠損金を10年繰り越すことができる

欠損金の繰越控除は、事業年度に発生した欠損金(赤字)を最長10年繰り越すことが出来る制度です。

経営が順調な企業でも、設備投資等を行った事業年度は欠損金が発生することもありますが、欠損金の繰越制度を活用していれば、その後に発生する利益から欠損金を差し引くことができます。

個人事業主の青色申告にも繰越控除の制度は存在しますが、繰越期間は3年ですので、法人の方がより長く欠損金を繰り越すことが可能です。

欠損金の繰戻し還付を請求できる

欠損金の繰戻し還付は、欠損金を事業年度開始の日前1年以内に開始したいずれかの事業年度に繰り戻し、法人税額の還付を請求することができる制度です。

本制度の対象となるのは原則中小企業等ですが、中小企業者等以外の法人についても、清算中に終了する各事業年度の欠損金額など、特定の条件に当てはまる場合には繰戻しによる還付を請求することができます。

中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例

中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例は、30万円未満の減価償却資産を取得した場合、その取得価額に相当する金額を損金の額に算入することができる制度です。

適用できるのは中小企業者等に該当する法人で、対象資産を適用期間中に取得し、事業用として供することが要件です。

事業年度において特例を適用できる額は、少額減価償却資産の取得価額の合計額300万円までとなっているため、複数の減価償却資産に対して特例を用いる際は限度額に注意してください。

中小企業投資促進税制による特別償却・税額控除の適用

中小企業投資促進税制は、中小企業者等が指定期間内に取得した新品の機械および装置などを指定事業の用に供した際、特別償却または税額控除を適用できる制度です。

特別償却を選択した場合、基準取得価額の30%相当額を特別償却限度額として償却することができます。

税額控除は、基準取得価額の7%を税額から差し引くことができます。

ただし、税額控除および「中小企業者等が特定経営力向上設備等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除制度」における税額控除の合計が、その事業年度の調整前法人税額の20%相当額を超えるときは、20%相当額が税額控除の上限となります。

なお、税額控除限度額の上限を超えたことで税額控除限度額の全部を控除しきれなかった場合、控除しきれなかった繰越税額控除限度超過額については、1年間繰越すことが認められます。

法人が青色申告を行うデメリット

税制面では法人が青色申告を行うデメリットは存在しないため、基本的には青色申告で申告書を作成することが望ましいです。

ただ青色申告は税務署に申請書を提出し、承認された場合に認められる制度であるため、青色申告を行うためには申請手続きが必要です。

承認されたとしても青色申告が行えるのは原則翌事業年度からとなり、承認された以後は複式簿記による記帳や、帳簿書類の管理等を適正に行わなければなりません。

また、帳簿書類の備付け等の不備や、税務調査で求められた帳簿書類の提出を拒んだ場合、税務署は青色申告の承認を取消す可能性があるので注意が必要です。

会計処理を正しくやらなければならない点は、青色申告と白色申告のどちらも同じですが、税務署に誤りや不備を指摘された際の影響は青色申告の方が大きいです。

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