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土地の不合理分割に該当するケースと相続税評価額の計算方法

遺産は相続人間で合意していれば、どのように分けても問題ありません。

しかし、不合理分割に当てはまるような形で土地を分けてしまった場合、通常とは異なる評価単位で相続税評価額を計算することになります。

本記事では、相続税における土地の評価単位および、不合理分割に該当する土地の評価方法について解説します。

【この記事の監修者】
讃良周泰税理士事務所 税理士 讃良 周泰

土地の相続税評価額を計算する際の原則

土地の相続税評価額は、課税時期の現況の地目別に計算することになり、一体として利用されている一団の土地が2以上の地目に該当する場合には、主たる地目を一団の土地の地目とします

たとえば、登記上は畑であったとしても、相続開始時点で自宅の敷地として利用されている土地は、宅地として評価額を計算しなければなりません。

地目の判定は、不動産登記事務取扱手続準則第68条および第69条に準じて行いますが、保安林については山林に含まれ、同準則第68条の「(12)墓地」から「(23)雑種地」まで(「(20)保安林」を除く。)は雑種地に該当するものとして扱われます。

<地目の区分>

  • ・宅地
  • ・田
  • ・畑
  • ・山林
  • ・原野
  • ・牧場
  • ・池沼
  • ・鉱泉地
  • ・雑種地

土地の評価単位は地目ごとに異なり、宅地は利用単位となっている1画地の宅地を評価単位とします。

2筆以上に分かれている土地が1画地の宅地として利用されているときは、それらを1画地の宅地として評価することになります。

不合理分割に該当する土地の評価単位

親族間で贈与や遺産分割等により宅地が分割された場合、分割後の画地を宅地として通常の用途に供することができないなど、その分割が著しく不合理であると認められるときは、分割前の画地を「1画地の宅地」として評価しなければなりません。

路線価地域にある宅地は形状に応じた補正計算を要し、土地の形状が歪であるほど補正後の評価額は小さくなります。

現実の利用状況を無視した不合理な分割が行われた後の土地をそのまま評価してしまうと、不整形地補正や無道路地補正などの適用により、相続税評価額を大幅に抑えることが可能になってしまいます。

財産評価基本通達では、相続税評価額を抑えることだけを目的とするような不合理分割が行われた場合、分割前の画地で評価額を計算するとしているため、該当する土地については例外的な評価単位で相続税評価額を求めることになります。

なお、不合理分割の取扱いは、同族会社間等で行われた不合理分割にも適用されるのでご注意ください。

不合理分割に該当した宅地の評価方法

1画地の土地を単独では通常の宅地として利用できない宅地が創出される形で分割した場合、分割前の画地を1画地の宅地として評価した上で、分割後の宅地を評価することになります。

最初に分割前の土地全体を1画地の宅地として評価し、算出された評価額に分割後の各土地を別々で評価した額の合計額に占める土地の価額の比率を乗じて、各土地の相続税評価額を求めます。

不合理分割に該当するケース

縦20メートル・横20メートル(面積400㎡)の正方形の土地を分割して相続する場合において、不合理分割となるケースをご紹介します。

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