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現金商売は税務調査で狙われやすい?理由とリスク回避のポイントを解説

現金取引が多い事業者は、税務調査の対象に選ばれやすいだけでなく、調査時のチェックも厳しくなる傾向があります。

そのため、事前に指摘されやすい事項を把握し、税務調査を受けることになった場合でも、適切に対応できるよう対策を講じておくことが求められます。

本記事では、現金商売の事業者が税務調査で狙われやすい理由と、調査リスクを回避するためのポイントについて解説します。

【この記事の監修者】
讃良周泰税理士事務所 税理士 讃良 周泰

現金商売が税務調査の対象になりやすい理由

クレジットカード決済や銀行振込は、クレジットカード会社や銀行に履歴が残るため、取引内容や金額の正確性を確認できます。

それに対し、現金取引は記録が残りにくく、事業者の裁量で売上や経費を操作しやすいという特徴があります。

そのため税務調査では、意図的な売上除外や経費の水増しなどが行われていないか、重点的に確認される傾向があります。

また、脱税の意図がなかったとしても、帳簿に記録した金額と実際の現金残高が一致しない場合には、売上の計上漏れや経費の不正計上を疑われる可能性が高くなります。

こうしたリスクを避けるためには、日々の現金管理を正確に行い、帳簿と実態が一致する状態を維持することが重要です。

税務調査にもAIが導入されている

国税庁は「令和6事務年度 法人税等の調査事績の概要」において、税務調査にAIを導入していることを公表しています。

国税庁の資料によると、AIは税務調査対象者の選定に活用されており、予測モデルによって調査必要度の高い法人が抽出されるだけでなく、不正パターンの判定も行われています。

最終的な調査実施の要否は調査官が判断しますが、調査官の知見にAIの分析結果を組み合わせることで、効率的で精度の高い調査が行われているとされています。

実際、令和6事務年度の法人税・消費税の実地調査における追徴税額の総額は3,407億円と、直近10年で最高値となっています。

そのため、今後は不正リスクが高いケースだけでなく、これまで調査対象になりにくかったケースでも調査を受ける可能性があるため、事業者はより一層の注意が必要です。

出典:令和6事務年度 法人税等の調査事績の概要(国税庁)
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2025/hojin_chosa/pdf/01.pdf

税務調査で指摘されやすい現金管理のポイント

日々の現金管理が不十分だと帳簿との不整合が生じやすいため、税務調査では現金管理の状況が重点的に確認されます。

領収書や伝票が適切に保存されていない

事業者には帳簿書類を一定期間保存する義務があり、適切に保管していない場合には経費を否認されるリスクが生じます。

たとえば、仕入れに関する領収書が欠落していると、実際に支出があったかどうかを確認できないため、経費として認められない可能性があります。

現金商売では、領収書の紛失や伝票の未整理が起こりやすく、場合によっては売上除外や経費の水増しが疑われることもあるため注意が必要です。

また、レシートや伝票をまとめて保管しているだけでは、取引内容や日付の確認に時間がかかり、調査官の心証も悪くなります。

そのため、領収書や伝票は日付順や取引先別に整理し、後から確認できる体制を整えることが重要です。

レジ現金の過不足が頻発している

レジ現金の過不足が繰り返し発生していると、売上の正確性が疑われます。

金額の不一致は不正を疑われる要因の一つであるため、レジ締めの手順が曖昧であったり、複数の従業員が現金を扱うにもかかわらず管理ルールが統一されていなかったりする場合は、特に注意が必要です。

また、過不足の原因を特定せずに放置していると、帳簿と実際の現金残高の乖離が蓄積し、調査官の疑念を強める結果につながります。

そのため、過不足の原因を特定できる管理体制を構築し、日々のレジ締めと現金残高の確認を確実に行うことが求められます。

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