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法人が企業版ふるさと納税を利用するメリット・デメリット

ふるさと納税は個人が行う寄附制度のイメージが強いですが、法人向けのふるさと納税制度も存在します。

本記事では企業版ふるさと納税の概要と、制度を利用するメリット・デメリットについて解説します。

【この記事の監修者】
讃良周泰税理士事務所 税理士 讃良 周泰

企業版ふるさと納税制度の概要

地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)は、国が認定した地域再生計画に位置付けられる、地方公共団体の地方創生プロジェクトに対して企業が寄附を行った際、法人が関係する税の負担が軽減される制度です。

地方創生を実現するために、民間企業が積極的な寄附を実施できるようにすることを目的としており、平成28年度の税制改正により創設されました。

法人関係の税控除は、損金算入と税額控除の2種類で、寄附額の最大9割の税負担を軽減することができます。

ただし寄附の対価として補助金を受け取ることや、有利な利率で貸付をしてもらうなど、経済的な利益を受けることは禁止されています。

また本社が所在する地方公共団体への寄附は制度対象外であり、地方交付税の不交付団体である東京都など、適用対象外の地方自治体も存在しますので、制度を活用する際は寄附先の選定も重要です。

令和2年度の税制改正において見直しされたポイント

企業版ふるさと納税は平成28年度の税制改正で創設されましたが、令和2年度の税制改正で制度内容が一部変更されています。

<令和2年度の税制改正の変更点>
・適用期間が令和6年度末まで延長
・税の軽減効果が最大9割に増加
・認定手続きが簡素化
・寄附時期の制限緩和
・併用可能な国の補助金・交付金の範囲を拡大

企業版ふるさと納税の創設当初は、適用期間は令和2年3月31日まででしたが、税制改正により令和6年度(令和7年3月31日)まで適用期間が延長されました。

税負担の軽減効果は、税制改正前は6割(損金算入約3割、税額控除約3割)でしたが、税制改正により軽減効果は9割(損金算入約3割、税額控除約6割)になったため、企業は1割負担で寄附を行うことができます。

以前は事業費確定前の寄附は行えませんでしたが、税制改正後は地域再生計画の認定後の「寄附(受入れ)の金額の目安」の範囲内であれば、企業のタイミングで寄附することが可能です。

また認定手続きの簡素化や、併用可能な国の補助金・交付金の範囲が拡大するなど、企業版ふるさと納税が利用しやすいような改正も行われています。

企業版ふるさと納税を利用することで得られるメリット

企業版ふるさと納税を利用する主なメリットは、次の3つが挙げられます。

<企業版ふるさと納税のメリット>
・節税効果
・地域・社会貢献による企業イメージアップ
・地域を活かした新事業の展開・開拓    
・地方公共団体との新たなパートナーシップの構築

法人が行う寄附は、寄附先によって損金算入できる金額が異なり、国や地方公共団体に対して行う寄附は、全額を損金算入することができます。

それに対し企業版ふるさと納税は、損金算入だけでなく税額控除の恩恵を享受できるため、寄附による税負担の軽減効果は通常の寄附よりも大きいです。

地方自治体にとって地方創生は、地域の活気を取り戻すために不可欠ですので、地方創生を実現するための手助けとなる企業版ふるさと納税を行うことにより、企業イメージを高める効果も期待できます。

また地方に事業を展開する場合、自治体の協力は必然であり、好意的な協力関係を築くことも重要です。

日本の各地域にはそれぞれに独自の名産や資源もありますので、新規事業を立ち上げる際の足掛かりとして、ふるさと納税を活用するのも選択肢の一つです。

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