貧乏経営者がやりがちな節税対策の根本的な間違いとは?



【この記事の監修者】 讃良周泰税理士事務所 税理士 讃良 周泰

売上は伸びているし、節税対策もしている。
それにも係わらず、なぜか手元キャッシュに余裕がない…そんな経営者は意外に多いようです。
原因は「間違った節税対策」にあるかもしれません。
法人税の節税対策は必須です。一方で、度を超すと経営基盤を弱体化させる要因になります。
本稿との出会いを機に、御社の節税対策を今一度チェックしてみましょう。


利益を生まない物品購入は本当に必要か?

貧乏経営者のやりがちな節税対策は、利益に結びつかない物品を購入して、法人税をムリヤリ圧縮するというもの。
購入物品例としては、高級車、クルーザー、別荘、芸術品をはじめ、ほとんど使わないゴルフ会員権、利益を生まない不動産などが挙げられます。

たとえば、クルーザーには短期間で減価償却できるメリットがあります(新品は4年、中古は2年)。そのため、福利厚生の名目で購入する法人は多いです。
とある首都圏のマリーナでは、管理しているクルーザーの大半が法人名義だったりします。

しかし、他社が買っているから弊社も…という考え方は安易です。
仮にその会社の営業利益率が5%、クルーザーの購入費が5000万円だったとしましょう。
このクルーザーを買うために必要な売上は10億円になります。

これは、高級車や別荘などアイテムが変わっても同様。
節税目的とはいえ、多額のキャッシュが流出している、そのキャッシュを得るには膨大な売上がいる、これを意識した上で物品購入をする必要があります。


返戻金を前提にした保険加入は本当に必要か?

貧乏経営者の間違った節税対策には、「満期(解約)返戻金を前提にした高額保険の加入」もあります。このタイプの保険の加入メリットは、キャッシュを保険に変換して利益を圧縮することで「法人税を先送りすること」です。

そのため、もともと法人税をそれほど払っていない会社なら、加入するメリットは小さいといえます。さらに、運転資金が足りなくなる可能性のある脆弱な経営体質なら、保険料を払って手元キャッシュを流出させるのは得策ではないという考え方もできます。

保険に入らず、キャッシュを手元にストックしておけば何かあった時にすぐ使えます。
これに対して、保険にストックしてしまうと、途中解約したくてもペナルティ(返戻金が減額されるなど)があります。
そのため、運転資金が足りなくなっても解約できずに、金融機関に利子を払って借り入れをするケースもあります。

このような負担が増える状況に陥るリスクがないか、を熟考した上で保険に加入すべきでしょう。


法人税を払うことのメリットもある

経営基盤を弱体化させる節税対策の他の例としては、経営者や幹部の高額な役員報酬もあります。
もちろん儲かっている会社なら問題ありませんが、経営が厳しい会社なら再考の余地はありそうです。

ここで挙げたような間違った節税対策の根源は、「法人税を払えば手元キャッシュがなくなる」という思い込みにあります。
日本は法人税が高い…と言われ続けてきましたが、近年、税率が段階的に減らされています。
現在の法人税の税率は次の通りです(資本金1億円以下の場合)。

年間所得800万円以下の部分:19%(平成31年3月31日開始事業年度まで15%(今後期間の延長予定あり))
年間所得800万円超の部分: 23.2%


住民税、事業税まで含めた実行税率でいう税金の負担は30%前半〜半ば程度ですが、逆に言えば、この税金さえ納めてしまえば残りはストックできます。
仮に1000万円の利益があったとしたら、700万円近くは自由に使えることになります。

利益を間違った節税対策に回してしまえば

 

 

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