税理士損害賠償研究 納税者が取締役等をしている会社(4社)の 名義で取引をした収益等を納税者個人の 収益等とした所得税と消費税の決定処分及び 重加算税の賦課決定処分に対し、取消訴訟を 提起した裁判例 東京地地裁平成29年10月18日(判例秘書搭載)。 事案 会社A、B、Cはそれぞれ別の者を代表者にして設立され、会社Dは納税者を取締役として設立された。 各取引は、調剤薬局店舗の営業譲渡、調剤薬局の出...
税理士損害賠償研究 法律行為の錯誤とは 錯誤に関しては、 「法律行為の錯誤」 「申告書の記載内容の錯誤」 の2種類があります。 今回は、このうち、「」を取り上げます。 解説 法律行為の錯誤に関しては、民法第95条は、 「意思表示は、法律行為...
税理士損害賠償研究 土地の賃料に関し、同族会社の行為計算否認が適用された事例 高松地裁平成24年11月7日判決です。 納税者敗訴となっています。 事案の概要 個人であるYが、自分が代表者である会社に対して土地を賃貸し、会社が第三者に転貸していた。 税務調査が入り、会社が得ている...
税理士損害賠償研究 税理士独立時のトラブル ~税理士法人から独立した税理士が税理士法人の顧客を引き抜きした事例~ 東京地裁平成26年4月9日判決(TAINS Z999-0150)です。 事案の概要 X税理士法人の社員税理士であったYは、税理士法人の社員を辞任してX税理士法人から脱退した。 脱退前から、担当している...
税理士損害賠償研究 税理士事務所M&A対価は、雑所得? 税理士事務所M&A対価の取り扱いについてです。 平成30年税制改正で事業承継税制の改正がなされておりますが、税理士の事業承継も活発になりそうです。 そこで、税理士事務所のM&Aに関する所得税が争われた...
税理士損害賠償研究 消費税に関する節税指導義務違反で税理士が訴えられた事例 東京地裁平成24年3月30日判決 (判タ1382号152頁)です。 顧問税理士が、消費税法上の課税事業者選択届出の提出に関する指導・助言をすべきだったのに、その義務を怠ったために、期末に在庫として有し...
税理士損害賠償研究 贈与税の納税義務発生時期がずれる? 「贈与税の納税義務の発生時期に関する裁判例」 をご紹介します。 贈与税は、贈与による財産の取得の時に納税義務が発生します(国税通則法第15条2項5号)。 そうすると、いつ、「贈与による財産の取得」があ...
税理士損害賠償研究 顧問先の役員個人に対する税務上の説明助言義務違反が問われた事例 東京地裁平成12年6月30日判決 (TAINS Z999-0066)です。 事案 ・依頼者Xは、進学教室及び学習塾の経営を主たる業務とする有限会社A社の取締役であり、税理士Yと顧問契約を締結していた。...
税理士損害賠償研究 顧問先との契約書がない場合に税理士の業務範囲が争われた裁判例 東京地裁平成25年1月22日判決 (判例タイムズ1413号373頁)です。 (事案) Xは、税理士であるYと顧問契約を締結していた。 ・顧問契約書は締結していなかった。 ・Xにおいて、9期にわたり合計...
税理士損害賠償研究 税理士が第三者から損害賠償請求された事例 仙台高裁昭和63年2月26日判決 (TAINS Z999-0002)です。 事案の概要 損害賠償請求人は、昭和53年6月ころ、訴外会社の代表者から、訴外会社のために事業資金の融通並びに金融機関からの借...
税理士損害賠償研究 青色事業専従者に関する否認判例 今回は、税理士が、妻を青色事業専従者として、給与を事業所得の金額の計算上必要経費に算入して確定申告としたところ、「労務の対価として相当であると認められる金額を超える」として、更正処分がされた事例をご紹...
税理士損害賠償研究 税理士の不正行為発見義務 所得税確定申告業務を受託していた税理士が訴えられた事案をご紹介します。 事案 依頼者は、診療所を開設するに当たり、税理士と顧問契約を締結しましたが、契約書は締結しませんでした。 税理士は、本件顧問契約...
税理士損害賠償研究 所得税確定申告業務での税理士損害賠償事例 東京地裁平成21年10月26日判決(判例タイムズ1340号199頁)です。 裁判所は、税理士に対し、402万3300円を支払うよう命じる判決を出しました。 【事例】 ・依頼者は、賃貸業を営んでいる者で...