税理士損害賠償研究 税理士が許される社労士業務 税理士業務に付随して社会保険業務を行うことがあると思いますが、今回は、その根拠についてです。 社労士法27条は、「社会保険労務士でない者は、他人の求めに応じ報酬を得て、第2条第1項第1号から第2号まで...
税理士損害賠償研究 贈与税を必要経費に算入? 大阪地裁平成29年3月15日判決です。 賃貸用不動産を贈与により取得した際に納付した贈与税を不動産所得の必要経費に算入したところ、否認された事案です。 納税者としては、所得税基本通達37-5が、「業務の用に供される資産に係る固定資産税、登録免許税(登録に要する費用を含み、その資産の取得価額に算入されるものを除く。)、不...
税理士損害賠償研究 顧問先の役員個人からの税務相談 「顧問先の役員個人に対する税務上の 説明助言義務違反が問われた裁判例」 をご紹介します。 東京地裁平成12年6月30日判決(TAINS Z999-0066)です。 (事案) 依頼者Xは、進学教室及び学習塾の経営を主たる業務とする有限会社A社の取締役であり、税理士Yと顧問契約を締結していた。 取締役であるXは、過去2年間...
税理士損害賠償研究 相続人と連絡が取れない時の対策とは? 「税理士を守る会」での質疑応答事例をご紹介します。 (質問) 相続税申告業務を受任し、相続人と一度お会いし、契約書を締結しました。 その際、必要書類をご説明し書類が揃いましたらご連絡くださいとお伝えしました。 その後一向に連絡がなかったためこちらから何度も携帯に連絡をしているのですが全く連絡がとれません。 申告まで3ヵ...
税理士損害賠償研究 税務書類は作成するが、税理士として署名押印をしたくないケース 3月の確定申告期限までに、膨大な申告書を作成すると思います。 通常は、税理士として、申告書に問題なく署名押印をすることがあると思います。 しかし、中には、資料不足や内容に疑義がある等の理由で、署名押印したくない、という場合があると思います。 そのような場合に、「税務書類は作成するが、税理士として署名押印はしない」という...
税理士損害賠償研究 代表者が不在の場合の申告 「税理士を守る会」では、税理士の先生が日常業務で直面する法的トラブルや会社法等の解釈が必要な内容について多数の質問が届いています。 その中で多くの税理士さんに参考となる質問と回答がありましたのでご案内します。 (一般化するため、個別の事情は変えています) 質問 1人オーナー兼取締役が死亡しましたが、相続人らが海外に住ん...
税理士損害賠償研究 税法における文理解釈とは? 文理解釈とは、法規の文字・文章の意味をその言葉の使用法や文法の規則に従って確定することによってなされる解釈です。 「租税法 第22版」(弘文堂・金子宏)では、「租税法は侵害規範(Eingriffsno...
税理士損害賠償研究 更正や重加算税賦課決定処分に至るまでの手続 平成24年6月27日国税庁長官「署課税部門における争点整理表の作成及び調査審理に関する協議・上申等に係る事務処理手続について(事務運営指針)」(TAINSコードH240627課総2-21)によると、更正等をする前提として、「争点整理表」が作成されることがわかります。 そして、争点整理表を作成したら、調査担当者から担当統...
税理士損害賠償研究 税務調査と秘密録音 税務調査の際、課税庁職員の態度に問題があるような場合、秘密裏に録音をすることがあると思います。 それ自体は違法ではありません。 しかし、後で税務調査の違法性を指摘し、「録音がある」というと、課税庁職員の態度は豹変します。 そして、「守秘義務の観点から消去してください」と迫ってきます。 では、税務調査において秘密録音をす...
税理士損害賠償研究 国が納税者に対し詐害行為取消訴訟を提起した事例 横浜地裁小田原支部平成7年9月26日判決をご紹介します。 国が納税者に対し、詐害行為取消訴訟を提起した事例です。 (事案) 今回は2社登場します。 被告となった納税者と、滞納者です。 滞納者は、経営維...
税理士損害賠償研究 医師の同族会社行為計算否認裁判例 所得税の確定申告において、医師が同族会社に支払った高額な不動産賃借料が、所得税法157条1項の「同族会社の行為計算否認規定の適用」により否認された事例をご紹介します。 佐賀地裁平成28年11月29日判...
税理士損害賠償研究 貸倒損失の立証責任とは? 立証責任についてご紹介します。 課税要件事実の立証責任については課税庁が負う、という点については、ご承知のとおりです。 判例1 最高裁は次のように判示しています。 「租税法律主義、申告納税主義を採用し...
税理士損害賠償研究 所得の帰属に関する裁判例 所得税法12条は、資産又は事業から生ずる収益の法律上帰属するとみられる者が単なる名義人であって、その収益を享受せず、その者以外の者がその収益を享受する場合には、その収益は、これを享受する者に帰属するも...
税理士損害賠償研究 期限後申告における無申告加算税の 「正当な理由」が争われた事例 千葉地方裁判所平成30年2月13日判決です。 事案 納税者が、平成27年分の所得税等について期限後申告をしたところ、処分行政庁から無申告加算税の賦課決定処分を受けたことから、法定申告期限内に確定申告書...
税理士損害賠償研究 納税者が立証責任を負う場合とは? 立証責任 金地金の売却にかかる取得費の立証責任について判断された事例 (大阪地裁平成28年10月13日判決) 税務訴訟における立証責任については、所得税事案に関し、 「租税法律主義、申告納税主義を採用...
税理士損害賠償研究 申告書に関する錯誤を認めた裁判例 今回は、申告書の記載内容に関する錯誤を認めた裁判例を2つご紹介します。 錯誤を認めた裁判例は珍しいので、どんな事例で認められるのか、確認しておきましょう。 申告書の記載内容に関する錯誤については、最高...
税理士損害賠償研究 退職税理士、職員による顧客奪取は違法か?(誓約書がない場合) 勤務税理士や職員が退職するタイミングで発生する顧客奪取に悩まれている所長税理士先生の相談が増えています。 そこでは、今回は について解説いたします。 (事例1) 税理士法人から社員税理士が脱退して独立...
税理士損害賠償研究 消費税で業種判断を間違えたことにより、 税理士に損害賠償が命じられた裁判例 東京地裁平成13年10月30日判決 (TAINS Z999-0059)です。 事案 依頼者は、衣料用繊維製品及び服飾雑貨アクセサリーの企画及び製造、販売等を主たる業とする会社です。 依頼者の業種は、製...
税理士損害賠償研究 やむを得ない事情とは? 大阪地裁平成24年7月4日判決判決です。 事案 納税者は、所得税法(平成23年改正前)70条1項に基づき翌年以降に繰り越される純損失の額を記載した平成20年分所得税の確定申告及び修正申告を行い、さらに...
税理士損害賠償研究 事業所得と給与所得の区別 東京地裁平成24年9月21日判決です。 事案 納税者は、麻酔科医で、複数の病院から得ている個人の所得を麻酔科医師業の業務委託に基づく事業所得であるとして所得税の確定申告をしていたものです。 税務署は、...