契約書のひな形、内容証明郵便書式、労務書式、
会社法議事録・通知書のテンプレートが無料

有給休暇の時効(取得期限)と付与される要件について(働き方改革関連法案対応)


働き方改革関連法案の順次施行に伴い、現行の就業規則を読み返していたところ、「年次有給休暇は付与した翌年度に限り繰越すことができる」となっていました。
そうすると、例えば3月に付与された有給は翌年の3月末までが取得期限になるかと思います。
確か有給の時効は2年ではなかったでしょうか?


【この記事の著者】 定政社会保険労務士事務所 特定社会保険労務士 定政 晃弘

確かに、就業規則の年次有給休暇の繰り越しに関しては、取得期限を「翌年度」としているケースが多いように思われます。
※「年度」=当年4月1日~翌年3月31日

そこで、年次有給休暇の「時効」について確認をしておきたいと思います。

時効については、労働基準法第115条に次のように規定されています。

「この法律の規定による賃金(退職手当を除く)、災害補償その他の請求権は2年間、この法律の規定による退職手当の請求権は5年間行わない場合においては、時効によって消滅する」

年次有給休暇は賃金にも災害補償にも該当しませんが、「その他の請求権」に該当するため、ご指摘のとおり時効は「2年間」ということになります。

次に、年次有給休暇が付与される要件を確認しておきたいと思います。
なお、通常の正社員が欠勤等することなく継続して勤務しているという前提で説明します。

労働基準法では、採用された日(入社日)から6か月経過後に10日間付与されます。

例えば、2017年9月1日に入社した場合、6か月経過後の2018年3月1日に10日間の年次有給休暇が付与されることとなり、まさにご質問のケースに該当するかと思います。

この10日間の年次有給休暇は労働基準法第115条に従えば、2年後の2020年2月29日(※この年はうるう年のようです)までが使用可能な期間となります。

従って、

PREVNEXT

関連記事

経費と損金の違い。法人税の計算で誤りやすいポイントを解説

経費と損金の違い。法人税の計算で誤りやすいポイントを解説

「経費」と「損金」は、同じような意味で用いられることもありますが、すべての経費を損金として算入できるわけではありません。 経費の損金算入・不算入は...

循環取引による不正会計とは?

不正会計の手口の中でも多いといわれる循環取引について教えてください。 【この記事の著者】 江黒公認会計士事務所 公認会計士 江...

電子帳簿保存法とは。制度の概要と税制改正による変更点

帳簿書類は書面による管理が原則で、以前は電子データで帳簿を管理することは認められていませんでした。 電子帳簿保存法は、国税に関係する帳簿書類を電子...