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二次相続で相続税の未成年者控除・障害者控除を適用する際の注意点


一次相続の際に、未成年者控除または障害者控除を適用した相続人も、二次相続で再び各控除を適用することは可能です。

しかし過去の相続税の申告で、限度額上限まで控除した場合には、二次相続で差し引くことはできません。

本記事では、未成年者控除・障害者控除を適用する際の注意点について解説します。

【この記事の監修者】
讃良周泰税理士事務所 税理士 讃良 周泰

二次相続で未成年者控除を適用する際の注意点

二次相続で適用できる金額は控除不足分のみ

二次相続で控除できる金額は、今回の未成年者控除可能額と、過去に適用した未成年者控除を除いた残額のいずれか少ない金額です。

そのため過去の未成年者控除で、控除額を全額使用していた場合は、二次相続で未成年者控除を適用できません。

<過去に未成年者控除を適用している場合の計算例>
〇 一次相続の未成年者控除(平成29年相続開始)
・相続税額 35万円
・相続開始日時点の年齢 15歳

【計算式】
(20歳-15歳)×10万円=50万円(未成年者控除額)
50万円-35万円=15万円(未成年者控除の残額)

〇 二次相続(令和2年相続開始)
・相続税額 50万円
・相続開始日時点の年齢 18歳

【計算式】
(20歳-18歳)×10万円=20万円(未成年者控除額)
15万円<20万円⇒15万円(二次相続で適用できる未成年者控除額)

平成26年12月31日以前の相続で未成年者控除を適用していた場合

相続開始日が平成26年12月31日以前の相続税までは、未成年者控除の金額は1年つき6万円でした。

しかし二次相続の未成年者控除の限度を判定する場合、一次相続が平成26年12月31日以前でも、控除額は1年につき6万円ではなく、10万円で計算します。

<平成26年12月31日以前の相続税の申告で未成年者控除を適用していた場合の計算例>
〇 一次相続の未成年者控除(平成20年相続開始)
・相続税額 100万円
・相続開始日時点の年齢 5歳

【計算式】
(20歳-5歳)×10万円=150万円(未成年者控除額)
150万円-100万円=50万円(計算上の未成年者控除の残額)

〇 二次相続(令和2年相続開始)
・相続税額60万円
・相続開始日時点の年齢17歳

【計算式】
(20歳-17歳)×10万円=30万円(未成年者控除額)
50万円<30万円⇒30万円(二次相続で適用できる未成年者控除額)

令和4年4月1日からは基準年齢が18歳になるので要注意

民法の改正により、令和4年(2022年)4月1日から成人の年齢は、20歳から18歳に変更されます。

未成年者控除の基準年齢も成人年齢引き下げに伴い、従来の20歳から18歳になります。

したがって令和4年4月1日以降に相続開始の場合、現在よりも控除額が20万円減少するため計算誤りにはご注意ください。

二次相続で障害者控除を適用する際の注意点

二次相続で適用できる金額は控除不足分のみ

二次相続で控除できる金額は、過去に適用した控除額を除いた金額です。

そのため過去の相続税の申告で、障害者控除を全額適用している場合、二次相続で障害者控除は適用できません。

なお障害者控除の適用基準となる年齢上限は、平成22年4月1日以降の相続より、70歳から85歳に引き上げられました。

そのため、全額障害者控除を適用した相続人も、二次相続時点の年齢によっては控除できる可能性もあります。

<過去に障害者控除を適用している場合の計算例>
〇 一次相続の障害者控除(平成29年相続開始)
・一般障害者控除の対象
・相続税額140万円
・相続開始日時点の年齢66歳

【計算式】
(85歳-66歳)×10万円=190万円(障害者控除額)
190万円-140万円=50万円(障害者控除の残額)

〇 二次相続の障害者控除(令和2年相続開始)
・一般障害者控除の対象
・相続税額60万円
・相続開始日時点の年齢69歳

【計算式】
(85-69歳)×10万円=160万円(障害者控除額)
50万円<160万円⇒50万円(二次相続で適用できる障害者控除額)

二次相続時に特別障害者の対象となった相続人の控除額

一次相続で一般障害者の障害者控除(10万円)を適用し、二次相続で特別障害者の障害者控除(20万円)を適用する場合には、

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