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相続税対策で土地活用するなら貸付けしないと節税効果は半減

相続税の節税手段の一つに不動産を活用する方法があり、相続財産を現金から土地に変えることで、相続税評価額を抑える効果が期待できます。

しかし相続税対策として考えるのであれば、活用方法まで検討しないと節税効果は半減しますのでご注意ください。

【この記事の監修者】
讃良周泰税理士事務所 税理士 讃良 周泰

預金から土地に変えるだけで相続税評価額を20%下げられる

相続税は相続開始時点の財産に対して課税されます。

預金は亡くなった時点の残高が相続税の対象金額となりますが、土地は相続開始時点の時価ではなく、路線価方式または倍率方式により計算した金額が相続税評価額となります。

路線価とは、相続税・贈与税の計算で使用するために国税庁が設定している金額です。

路線価の金額は一般的に公示価格の80%相当と言われており、公示価格は時価と同等とされていますので、預金を土地に変えただけで20%分相続税評価額が低くなります。
(固定資産税評価額は、公示価格の70%相当です。)

なお地域によっては、路線価が公示価格に近い地域や80%よりも低くなっている場所もあります。

また路線価の金額は景気などによって左右され、毎年7月初旬にその年に使用する路線価が公表されます。

貸付用の土地の相続税評価額は最大90%減額される

相続財産を預金から土地に変えるだけでも節税効果はあります。

ただ相続税評価額を更に抑えたいのであれば土地の用途も重要で、貸宅地として利用している土地は、評価額が最大90%減額するケースもあります。

貸付地として利用している土地の節税効果

土地を借りた人が、土地の上に建物を建築している場合、貸している土地は貸宅地として評価額を計算します。

貸宅地は、自用地評価額から借地権分の評価額を差し引いた金額が評価額です。

<貸宅地評価額の計算式>
自用地評価額 - 自用地評価額 × 借地権割合 = 貸宅地価額額

借地権割合は路線価(倍率表)ごとに設定されており、路線価地域であれば借地権割合が30%から90%のエリアが存在します。

たとえば借地権割合60%の地域にある貸宅地は、自用地評価額の40%が相続税評価額となります。

貸家建付地として利用している土地の節税効果

貸家建付地は貸家の敷地として利用されている土地をいい、貸付アパートの土地は貸家建付地評価の対象です。

貸家建付地は貸宅地よりも相続税評価額の減額割合は少ないですが、借地権割合60%の地域であれば相続税評価額は18%下がります。

<貸家建付地評価額の計算式>
自用地評価額 - 自用地評価額 × 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合 = 貸家建付地価額
※借家権割合は全国一律30%

賃貸割合は貸し家屋の床面積合計の内、賃貸されている部分の床面積合計の割合で算出しますが評価時点で空室になっている部屋の床面積は賃貸部分に含まれません。

ただ評価時点で空室の場合でも、入居者の募集をしているなど一時的に空室になっていたにすぎないものについては貸付用として認められます。

相続開始時点で貸付用として利用していなければ減額できない

土地の相続税評価額を減額できるのは、基本的に土地を貸し付けている場合に限られ、自宅の敷地や利用していない土地については、自用地として評価します。

土地を貸付用として利用しているかは、相続開始時点の状況で判断します。

長年貸付用として利用していた土地であっても、相続開始直前に賃貸契約が終了し、相続開始時点で未利用の状態だと、貸付用ではなく自用地として相続税評価額を計算しなければなりません。

貸付駐車場は原則貸宅地評価できない

借地権は、建物や構築物を建築する際に発生する権利です。

駐車場は基本的に構築物が存在しませんので、貸付駐車場として利用している土地は原則自用地評価しなければなりません。

しかし

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