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法人税・消費税の税務調査を受けやすい業種・ケースを解説

法人の数は、国税庁の令和元年度分の調査によると約275万件も存在しているため、すべての法人が毎年調査を受けることはありません。

しかし会社を経営していれば税務調査が行われる可能性はありますし、調査を受けやすい業種やシチュエーションもあるので調査対策は必要不可欠です。

本記事では、法人税・消費税の税務調査の状況や、調査を受けやすい業種・ケースについて解説します。

【この記事の監修者】
讃良周泰税理士事務所 税理士 讃良 周泰

3年間で税務調査を受ける確率は11.2%

国税庁が公表している「令和2事務年度法人税・消費税の調査事績の概要」によると、平成30年、令和元年、2年の3年間の接触率の合計は、法人税・消費税が11.2%、源泉所得税が19.5%です。

単純計算では、法人税・消費税は10年で1回、源泉所得税は5年に1回調査を受けることになります。

しかし短期間で複数回調査を受ける法人もありますので、一定年数事業を行っていたとしても、税務調査を受けたことがない法人は多数存在します。

令和2事務年度に行われた法人税・消費税の調査事績

令和2事務年度では、大口・悪質な不正計算等が想定される法人を中心に2万5千件の実地調査が行われています。

新型コロナウィルスの影響により、調査件数は前年比32.7%と低水準でしたが、新型コロナウィルスが落ち着けば、コロナ以前の10万件程度まで実地調査件数は戻ることが考えられます。

一方、令和2事務年度の実地調査より把握した申告漏れ所得金額は5,286億円、追徴税額は1,936億円でした。

調査1件当たりの追徴税額は7,806千円と、令和元事務年度の3,135千円から約2.5倍増えていますので、実績からも大口・悪質な不正計算等が想定される法人を中心に調査が実施されたことがわかります。

要調査対象となっている法人の特徴

国税当局は、次に該当する法人を重点的に調査する取り組みを行っています。

● 消費税還付申告法人
● 海外取引法人
● 無申告法人

● 消費税還付申告法人
● 海外取引法人
● 無申告法人

消費税の申告では、課税売上に係る消費税から課税仕入れに係る消費税の差額を納めることになる一方、課税仕入れの方が大きい場合、申告することで消費税が還付になります。

国内架空仕入れと国外への販売を装うことにより、不正に消費税の還付を受けている事案が発生しているため、国税当局は取り締まりを強化しています。

海外取引法人は、ペーパーカンパニーを利用しての架空の経費を計上する事案が発生していることが要調査対象となっている理由です。

国税当局は海外取引法人が取引を行ったとされるペーパーカンパニーが、調査法人との取引を収益計上してない事実を把握するために、ペーパーカンパニーが所在する国に対して租税条約等に基づく情報交換要請を行っています。

他国からの情報提供により架空計上の実態が確認できれば、税務調査により指摘を受けることになるため、海外取引であっても国税当局の目を掻い潜ることは難しいです。

無申告法人は、インターネット情報等で店舗の営業時間・SNS情報・口コミなどから事業実態を把握されて、摘発を受けています。

金融機関から無申告法人に多額の入金が行われているなど、売上等取引の証拠確認は税務署にとって難しくありませんので、調査対象となれば逃れることはできません。

法人税調査を受けやすい法人と業種

税務調査の対象となりやすい法人の特徴は次の通りです。

● 事業規模が大きい
● 売上が大きく伸びている
● 同業種の他社よりも利益率が低い
● 赤字が連続している
● 不正が多い業種
● 過去の税務調査で指摘を受けている
● 税理士関与の有無
● 事業規模が大きい
● 売上が大きく伸びている
● 同業種の他社よりも利益率が低い
● 赤字が連続している
● 不正が多い業種
● 過去の税務調査で指摘を受けている
● 税理士関与の有無

事業規模が大きい会社や、売上が伸びている会社は税務調査を受けるイメージがあると思います。

しかし売上があまり伸びていない会社であっても、同業種の法人と比較して利益率が低い場合、売上除外や架空経費計上の疑いがもたれる可能性がありますし、赤字が続いている法人についても不正還付等がないか調べられるケースもあります。

また不正が多い業種や過去に税務調査で指摘を受けた法人は、適切に申告していても調査対象になる確率は高いです。

そして、法人は元々税理士関与が多いこともあり、税理士に依頼していない法人は税理士が関与している法人よりも調査を受けやすいです。

法人税の不正発見割合の高い業種【5年前と比較】

税務署は不正が見込まれる業種を中心に調査を実施するため、調査により不正が発見された割合の多い業種は、他の業種よりも調査を受ける確率が高くなります。

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