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個人事業主が税制面で不利益を受けている根拠と対処法

個人事業主は、サラリーマン(給与所得者)や会社経営者と比べ、税制面で不利なことが多く、収入が同じでも手元に残るお金が少なくなりやすいです。

本記事では、給与所得者および会社経営者と比較して、個人事業主の税金負担が重い理由と、対処法について解説します。

【この記事の監修者】
讃良周泰税理士事務所 税理士 讃良 周泰

個人事業主が給与所得者より税金面で不利な理由

個人事業主と給与所得者が収入に対して課されるのは所得税ですが、対象となる所得区分が異なるため、同じ収入でも課される所得税額は変わります。

給与所得者は無条件で給与所得控除を適用できる

個人事業主の所得区分は、事業所得(不動産所得)であり、給与所得者の収入は給与所得の対象です。

事業所得は収入から経費を差しい引いた金額が所得金額となる一方、給与所得は原則として、勤務先への交通費などを経費にすることはできません。

しかし給与所得には給与所得控除の適用が認められており、経費がなくても収入から差し引ける控除がありますので、収入金額がそのまま所得金額になるわけではありません。

それに対し、個人事業主は経費が多ければ所得金額は小さくなりますが、経費は基本的に実費が伴います。

経費を増やすことで利益を減らせたとしても、支出額が多くなれば残るお金は少なくなります。

したがって収入金額が同程度であれば、無条件で給与所得控除が適用できる給与所得者の方が手元にお金が残りやすく、相対的に個人事業主の方が税負担は重いと言えます。

社会保険の負担は個人事業主の方が大きい

個人事業主が加入する保険は国民健康保険です。

保険料は自身で全額支払わなければいけませんし、国民健康保険料は所得が増えるほど負担する金額が大きくなります。

一方、会社員は健康保険に加入するケースが多いですが、保険料は会社と折半して支払うため、個人事業主の方が負担は重くなります。

また特定の業種に該当する個人事業主については、一定以上の所得があると個人事業税を支払うことになるなど、所得税以外の税負担もあります。

個人事業主が法人経営者より税金面で不利な理由

事業規模がある程度の大きくなった際は、個人事業主から法人に変更することで、融資を受けやすくなるなどのメリットを受けられますが、税制面での恩恵が大きいことも法人成りが行われている理由です。

個人事業主は法人よりも経費計上できる範囲が狭い

個人事業主は、自動車など公私で使用しているものについては按分計算を行い、仕事で使用している割合しか経費にすることができません。

仕事とプライベートの線引きは難しく、税務調査においては私用で使った支出とみなされ、経費計上を否認されるケースもあります。

また店舗兼住宅で事業を営んでいる場合、建物の減価償却費として計上できるのは仕事用部分の面積案分した金額に限られるなど、経費計上できる範囲は法人よりも狭いです。

利益に対する税金は法人税の方が高い

所得税の税率は最低5%から最高45%まで(これに復興特別所得税が2.1%加算されます)幅広く、最低税率は法人税よりも低くなっております。

しかし一般法人に適用される法人税の税率は2種類しかなく、最高税率は23.2%と所得税の半分程なので、利益が多い事業を営んでいる場合、法人の方が利益に対する税金は少なくなります。

また法人は役員報酬などを活用して、課税対象となる金額を法人税と所得税に分散させることも可能です。

所得税・法人税とも、課税対象金額に応じて税率が上がるため、所得を分散させた方が低い税率を適用することができます。

また損失が発生した場合における損失の繰越期間は、法人は最長10年である一方、個人事業主は最長3年と法人の3分の1以下しかありません。

新しく事業を行う場合、最初の数年間は赤字になることもありますので、赤字を繰り越せる期間が短いのも、個人事業主の方が税制面で不利な点です。

個人事業主が節税するためにやるべき対策

個人事業主が今よりも税負担を軽減する方法としては、経費計上の見直しと法人成りの2つがあります。

経費計上する支出の見直し

所得税は利益が多くなるほど税率が高くなるため、利益が多く発生した年に設備の先行投資を行うことで利益を圧縮し、適用させる税率を低くする節税方法があります。

事業開始当初は売上よりも支出が多くなるケースもありますので、経費を使うタイミングもポイントです。

また建物や車などの減価償却資産は、購入金額を複数年にわたって経費として計上することができます。

経費を増やすことで所得金額を抑えることは可能ですが、出費が多くなった分だけ手元に残るお金は減少するため、不用意に支出を増やしても意味はないのでご注意ください。

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