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法人が借地権設定時に権利金の認定課税される条件と対処法

法人が借地権を設定する際に権利金の授受が行われていなかった場合、権利金があるものとして、法人税が課される可能性があります。

本記事では、借地権設定時に権利金の認定課税が行われるケースと、対策方法について解説します。

【この記事の監修者】
讃良周泰税理士事務所 税理士 讃良 周泰

借地権設定時において権利金の認定課税が行われる理由

権利金の認定課税は、借地権の権利金があるものとして税金が課されることをいいます。

法人が所有する土地を他人に貸し、建物などが建築された場合、その土地に借地権が設定されたことになります。

普通借地権は、一度設定すると借地人が半永久的に土地を借り続けることができてしまうことから、通常借地権設定時に土地所有者に対して権利金が支払われます。

しかし、慣習的に権利金を支払う地域において権利金の授受が行われなかった場合には、土地所有者は借地人から本来支払うべき権利金相当額を受領したものとして、借地権の認定課税が行われます。

権利金の認定課税が行われないケース

権利金の収受がない場合でも、次に該当するケースでは認定課税は行われません。

<権利金の認定課税の対象とならないケース>

  • ・対象地の価額に応じた「相当の地代」を収受している
  • ・借地権設定等における契約書で、借地人が対象地を将来無償で返還することを定め、税務署に借地人との連名で遅滞なく「土地の無償返還に関する届出書」を提出している

「通常の地代」は、対象地の底地部分に対する地代なのに対し、「相当の地代」は底地部分および借地権部分に対する地代をいいます。

相当の地代は基本的におおむね3年以下の期間ごとに見直しをしなければならず、必要に応じて地代の改訂を要します。

土地の無償返還に関する届出書を提出している場合でも、実際に収受している地代が相当の地代より少ない場合には、差額を借地人に贈与したものとして取り扱われるので注意してください。

相当の地代の算出方法

「相当の地代」は、原則土地の更地価額のおおむね年6%程度の金額をいい、「土地の更地価額」は土地の時価です

ただし、課税上弊害がないときは、次の金額を土地の更地価額として相当の地代を算出することも認められています。

  • ・対象地の近くにある、類似した土地の公示価格などから合理的に計算した価額
  • ・対象地の相続税評価額または、過去3年間の評価額の平均額

相当の地代の改訂に関する注意点

相当の地代を収受することで借地権の認定課税を回避するときは、借地権設定に係る契約書で地代の改訂方法について定め、借地人との連名で「相当の地代の改訂方法に関する届出書」を遅滞なく税務署に提出することが求められます

改訂方法は「改訂型」と「固定型」があり、「改訂型」はおおむね3年以下の期間ごとに土地の価額の値上がりに応じて収受する地代を相当の地代に改訂する方法、「固定型」は契約時に設定した地代を据え置く方法です。

「相当の地代の改訂方法に関する届出書」を提出していない場合には、固定型を選択したものとして取り扱われますので、改訂型の方法を用いる際は届出書を提出してください。

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